さまざまな切り口でベートーヴェンの音楽に迫る
いずみシンフォニエッタ大阪 第38回定期演奏会
「満喫!楽聖ベートーヴェン」
現・近代音楽の演奏を中心とするいずみホールのレジデント・オーケストラ、いずみシンフォニエッタ大阪の第38回定期演奏会が2月11日(土・祝)に行われる。題して「満喫!楽聖ベートーヴェン」。日本屈指の凄腕演奏家集団でもある彼らが、今回は縦・横・斜め、さまざまな切り口で、ベートーヴェンの音楽に迫る。
「いずみシンフォニエッタ大阪は、1管編成のオーケストラ。室内合奏団と通常のオーケストラとの中間くらいの大きさです。演奏者の数が少ないということは、その分ひとりひとりの演奏者の緊張感は高まるわけで、今回は、飯森範親指揮のもと、このサイズを生かした非常に緊密でしなやかな響きのベートーヴェンをお届けしようと思います」。そう語るのは、いずみシンフォニエッタ大阪音楽監督で作曲家の西村朗。この編成のためにプログラム・アドヴァイザーの川島素晴が編曲した、弦楽四重奏の傑作「大フーガ」(弦楽合奏版)や、同じくピアノ協奏曲第5番「皇帝」など、大作曲家のエッセンスを抽出したかのような作品が並べられた。さらに、1930年生まれのドイツの作曲家シュネーベルによる『ベートーヴェン・シンフォニー』(交響曲第5番「運命」を換骨奪胎)や西村朗が2007年にいずみシンフォニエッタ大阪のために「第九」の序曲として書き下ろした『ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲』(交響曲第1番から第8番までのフレーズが次々に現れる)なども登場し、いずみシンフォニエッタ大阪ならではの現代音楽的な視点から捉えられたベートーヴェン像も楽しめる。
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」を共演するのは、日本を代表するヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、若林顕。「常に弾き手の精神に問いかけてくる、試金石的な作曲家」とベートーヴェンの魅力を語る。西村は「今回のプログラムはベートーヴェンそのものであると同時に、さまざまな時代が立ち向かったベートーヴェンの姿でもあります。しかもどうやってみたところで、その本質は絶対に揺るがないというベートーヴェンの凄さを伝えることができれば」と言葉に熱を込めた。
いずみシンフォニエッタ大阪
〈第38回定期演奏会〉
●2月11日(土・祝)16:00
いずみホール
一般-5000円(指定)
チケット発売中 Pコード309-733
【指揮】飯森範親
【ピアノ】若林顕
【音楽監督・お話】西村朗
【プログラム】
シュネーベル:ベートーヴェン・シンフォニー(1985)
ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133
〔弦楽合奏版・川島素晴編曲〕
西村朗:ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲
〔2007/いずみシンフォニエッタ大阪委嘱・初演〕
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》
〔いずみシンフォニエッタ大阪版・川島素晴編曲〕
※15:30よりプレ・コンサート、15:45よりプレ・トークあり。
【問い合わせ】
いずみホールチケットセンター■06-6944-1188
(2017年1月20日更新)
Check