日本の伝統楽器で唯一の擦弦楽器「胡弓」
その「知られざる」魅力を伝えるコンサート
「胡弓 いま⇔むかし ~伝えたい音、今奏でる~」
胡弓-小振りの三味線のような本体を馬の毛を張った弓で弾く、日本の伝統楽器としては唯一の擦弦(さつげん)楽器である。今から400年ほど前、江戸時代初期には存在が確認されているが、三味線や筝のように独奏楽器としての地位を築くには至らず、地歌、義太夫節や民謡などにおいて、三味線奏者や箏奏者が胡弓の演奏を兼任する形でその音楽を現代に伝えて来た「知られざる」楽器である。
現在、胡弓の数少ない演奏家である木場大輔が、この楽器の魅力に光を当てる演奏会「胡弓 いま⇔むかし~伝えたい音、今奏でる~」を5月20日(水)、大阪のザ・フェニックスホールで開催する。木場大輔は淡路島出身、学生時代から、多くの楽器に取り組む中で胡弓に出会い、以来、独奏楽器としての胡弓の可能性を追求する、様々な演奏活動を行っている。
今回のコンサートは3部構成。第1部では地歌三味線の継承者、菊央雄司とともに江戸時代の名曲『笹の露』を、第2部では木場の独奏で胡弓本曲(胡弓の独奏曲)『鶴の巣籠』を演奏。ともに伝統的な和楽器としての胡弓のあり方を明らかにする。そして第3部では、ピアノ、シンセサイザー奏者で、多くのCMや映像作品の音楽を手がける足立知謙とともに、ジャズのハーモニーやエレクトロニカの音響と融合した、現代に生きる楽器としての、胡弓の魅力を表現する。
木場大輔は「胡弓は400年の歴史を持つ和楽器で、その音楽は文楽や歌舞伎などとも密接な関係を持ちながら成立して来たものですが、胡弓そのものが主役になったコンサートは、多くは行われて来ませんでした。今回のコンサートで、その伝統的な姿と未来への可能性の一端をお伝えすることにより、これまで知られて来なかったこの楽器の魅力を多くの人に届けることが出来ればうれしいと思います」と語っている。
胡弓 いま⇔むかし ~伝えたい音、今奏でる~
●5月20日(水)19:00
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
一般-3000円(自由席)
チケット発売中 Pコード 248-638
【演奏予定曲目】
《第1章 地歌と胡弓》
笹の露:菊岡検校
《第2章 胡弓の本曲》
鶴の巣籠(すごもり):作曲者未詳
《第3章 今を奏でる》
あの雲のむこう:木場大輔
こきりこ節:富山県民謡
残照の陣:木場大輔
ゆき:峰崎勾当
ムルドルの夢:木場大輔
焔(Ⅰ鼓動/Ⅱ篝火/Ⅲ昇華):木場大輔
【問い合わせ】
胡弓 いま⇔むかし 事務局■090-8655-8360
ザ・フェニックスホールチケットセンター
■06-6363-7999(平日10時~17時)
(2015年4月27日更新)
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