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外山雄三、大阪フィル10年ぶりの共演。
老練のタクトが奏でるチャイコフスキーの
交響曲第1番『冬の日の幻想』

 大阪フィルハーモニー交響楽団は、10月15日(水)、ザ・シンフォニーホールで行われるソワレ・シンフォニーVOL.3の指揮に外山雄三を迎える。外山雄三は1931年東京生まれ。56年、NHK交響楽団を指揮してデビュー。数多くのオーケストラの要職を務めた音楽界の重鎮であり、作曲家としても『管弦楽のためのラプソディー』など多くの作品がある。大阪フィルとの共演は2004年の12月以来、10年ぶりとなる。
 
 「大フィルの専属指揮者だったのは1963年から67年まででしたが、それ以外にも共演の機会は多くありました。朝比奈隆先生がお元気な頃は、僕はもっぱら先生のおやりにならない現代音楽やポップス寄りのものばかり振っていましたが(笑)」。公演に先駆けて大阪を訪れた外山はそのように語る。「少しあとになりますが、81年。僕がメシアンの『トゥーランガリラ交響曲』を振ったときのことです。人が多いので普段の練習場以外のところで練習に入ったんですが、その初日に朝比奈先生が現れて、あの大きながらがら声で『外山くん』と呼ぶんです。で、行ってみるとスコアを広げて『君、ここは少しホルンが大きい』と。朝比奈先生というかたは現代音楽には目もくれない、という顔をずっとなさっていたんだけど、それは先生のポーズでね。実ははちゃんとご存知だったわけです。ですからあの時指示をいただいたことを、僕は非常に印象的に覚えているんです」。ベテランならではの興味深いエピソードも明かされる。

DSC_1730_220.jpg ソワレ・シンフォニーは19:30開演。ほぼ1時間の内容で本格的なコンサートが楽しめる、大阪フィルとザ・シンフォニーホールの共同企画だ。料金も3500円と低価格に抑えられている。こうした試みについて外山は「非常に意味のある冒険。多くのお客さまに足を運んでいただくためには、続けることが大切」と語る。また今回のプログラムについて「チャイコフスキーの第1番『冬の日の幻想』は、その後の彼の個性のようなものが全部現れている作品です。それはまだ、断片的な小さな芽ではあるのだけれど、ほら、これも魅力的でしょう?とお客さまに提示するのが指揮者とオーケストラに託された仕事だと思います」とも。曲目はほかに『白鳥の湖』より“情景”“四羽の白鳥”“チャルダッシュ”。オープニングを飾る、外山自身の2012年作品『前奏曲』にも注目したい。
 



(2014年9月19日更新)


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外山雄三(C)S. Yamamoto

大阪フィルハーモニー交響楽団

〈ソワレ・シンフォニー Vol.3〉

●10月15日(水)19:30
ザ・シンフォニーホール 

全席指定-3500円 
チケット発売中 Pコード 233-351

【指揮】外山雄三

【プログラム】
外山雄三:前奏曲(2012)
チャイコフスキー:
バレエ組曲『白鳥の湖』より“情景””四羽の白鳥””チャルダッシュ”
チャイコフスキー:
交響曲第1番ト短調 作品13『冬の日の幻想』

【問い合わせ】
大阪フィル・チケットセンター■06-6656-4890

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