ホーム > NEWS > 関西フィル、『シベリウス交響曲全曲ツィクルス第2夜』。そしてラフマニノフの哀愁、『舞楽(BUGAKU)』の衝撃
関西フィルハーモニー管弦楽団、2月27日(水)の定期演奏会は首席指揮者、藤岡幸夫を迎える。当日は『シベリウス交響曲全曲ツィクルス第2夜』と題しシベリウスの交響曲第3番 ハ長調、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番 ハ短調、そして黛敏郎の『舞楽(BUGAKU)』の3作品を演奏する。
2012年2月に行われた『シベリウス交響曲全曲ツィクルス第1夜』において、その到達点とも言える第7番を演奏した藤岡と関西フィルだが、今回の第3番はシベリウスが、後期ロマン派の影響から脱し、独特の凝縮された作風に移行してゆく時期の作品。全3楽章。シベリウスの全交響曲の中にあって重要な位置にあり、藤岡・関西フィルの意気込みに溢れたプログラムと言えるだろう。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、ソリストに迎えるのは現在、パリを拠点とする児玉桃。大阪生まれながら幼い頃よりドイツ、フランスで過ごし、近年はメシアンの演奏によって高い評価を勝ち得ている。その日本人離れした技巧と感覚によって、この作品の持つ、ほの暗く甘美な情景がどのように表現されるのか、注目したいところだ。 そして『舞楽(BUGAKU)』。ニューヨークシティ・バレエ団の音楽監督、ジョージ・バランシンの委嘱によって作曲され、1963年、ニューヨークシティ・センターで初演された作品である。日本の雅楽における舞楽の音色をオーケストラで再構成した作品であり、戦後の音楽界の旗手として数々の音響実験に取り組んだ黛敏郎の代表作のひとつである。初演から50年、いまだ衝撃を失わないその夢幻的な響きに耳を傾けたい。
(2012年12月28日更新)
〈第244回定期演奏会〉