ホーム > NEWS > 圧倒的な表現力に満ちたパイプオルガン。 その響きで辿るバッハの生涯の様々な場所。
9回を迎えるいずみホール「バッハ・オルガン連続演奏会」。パイプオルガンの圧倒的な表現力と、バッハの音楽の持つ奥深い響きで、多くのファンをつかんでいるシリーズだ。今回はバッハの生涯の様々な時期から作品が選ばれており、それだけに親しみ易く、多彩な魅力を伝えるプログラムとなっている。
1685年、ドイツに生まれたバッハ。今回演奏される曲目のうち、もっとも若いバッハの面影を伝えるのがパルティータ「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」である。10代のバッハによって構想され、幾度かの改訂を経て、完成された作品だ。そして「パッサカリア ハ短調」や「幻想曲 ト長調」といった巨匠への道のりを示すゆるぎない曲目が配され、後期の高みに達する「音楽の捧げもの」や「フーガの技法」からの作品、1750年、病の床で決定稿を口述したと伝えられる「汝の御座の前にわれは今進み出で」といった作品までが、バッハの人生を行きつ戻りつするように並べられている。
今回のオルガニストであり、プログラムの選定を行なったのは、現在、ドイツ・ブレーメン芸術大学の教授でもあるスウェーデンのハンス=オラ・エリクソン。作曲家としても評価が高く、現代音楽演奏にも造詣が深い碩学だ。その洞察に満ちた解釈と演奏は、何よりも優れたオルガニストであり、その表現力を知り尽くしていたバッハの作品を鮮やかに甦らせてくれるだろう。
もちろん、いずみホール音楽ディレクター、礒山雅による平易で魅力的な解説も、聞き逃せない。
バッハ・オルガン作品連続演奏会 Vol.9「究極のバッハ」
●8月6日(土)16:00
いずみホール
【パイプオルガン】ハンス=オラ・エリクソン
【お話】礒山雅
【プログラム】
《音楽の捧げもの》より6声のリチェルカーレ
パルティータ《喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ》
《フーガの技法》より未完の四重フーガ
《汝の御座の前にわれはいま進み出で》
幻想曲 ト長調
《天にましますわれらの父よ》
《おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け》
パッサカリア ハ短調
【問い合わせ】いずみホールチケットセンター■06-6944-1188
(2011年6月28日更新)