主演の山田裕貴、永井聡監督が
大阪での舞台挨拶に登壇！
映画『爆弾』大ヒット御礼舞台挨拶 in 大阪レポート

『キャラクター』『帝一の國』などの永井聡監督が、呉勝浩によるベストセラーを映画化したタイムリミットサスペンス『爆弾』が、大阪ステーションシティシネマほか全国にて上映中。

警察に連行された謎の男・スズキタゴサクが都内で1時間ごとに爆発があると予告する中、警視庁交渉人と彼の知恵比べが緊張感たっぷりに繰り広げられる。

主演の山田裕貴を始め、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、佐藤二朗ら日本を代表する演技派が集結する話題作だ。そんな本作の大ヒットを記念し、11月8日(土)、大阪ステーションシティシネマで、上映前に山田裕貴と永井聡監督が登壇し、舞台挨拶を行った。

山田は「僕は名古屋出身ですが、名古屋でも吉本新喜劇は土曜日に放送されていて。僕は吉本新喜劇を見て育ったので、大阪の方が大好きなんです」と言うと、照れたように「媚びたような感じになっちゃってすいません」と言いながらも、「今でもたまにズッコケたいなと思いますし、好きです」と大阪愛を語る場面も。

大阪は久しぶりという監督。「2年ぶり。食べ物は楽しみですね」と言うと、山田はすかさず、「皆さんの感想が食べ物なんじゃないですか？監督にとっては。やっぱり、美味しい食べ物＝感想が欲しいですよね」と重ねていた。

公開4日間で動員37万人、興行収入5億円を突破するなど、大ヒットを記録している本作。手ごたえを聞かれると山田は、「映画の"あるある"に疑問を感じてた」と明かし、「公開翌日なのにTVのCMで「大ヒット公開中」って書いてるのを、ほんとかな？って疑ってた」と本音を明かした上で、「『爆弾』は、感想の熱狂ぶりはもちろん、いろんなコメントを翌日からたくさん聞いて、「大ヒット公開中」って本当だったんだと、初めて大ヒットする感覚を体感した」と熱弁。

監督も「褒めてくださる意見が多い。二朗さんはすごくて気持ち悪いんだけど、山田裕貴がめちゃくちゃいい(と言われる)」と話し、隣にいる山田が照れるそぶりをすると場内からは拍手が。「類家はすごく漫画的なキャラクター。でもスイッチが入った時はめっちゃカッコいいというのを山田くんが表現してくれたので、それがすごい」と称賛。

それを受けて山田は「漫画的にあんなにも難しいキャラクターを、こんなにもリアルによく落とし込めたよね、っていうことですよね」と、監督の思いを代弁!?し、山田が自画自賛するような空気になると、場内からは笑い声が。監督も「そういうことだね(笑)」と同意していた。

共演した佐藤二朗について山田は「二朗さんのタゴサクの表現が素晴らしくて。お芝居だけじゃなく、こんな考え方や役の捉え方、こんな脚本の読み方ができる俳優さんに僕もならなければと思わせてもらえる俳優さんでした。僕の前に立ちはだかるタゴサクとしても、二朗さんとしても化け物でしたし、最大のリスペクトを込めて怖いなと思いました。こうならないと一流とは言えないと痛感しました」と、佐藤の存在の大きさに圧倒されたよう。

苦労したことを聞かれた監督は、「類家の衣装合わせの時に、いろんなスーツを着てもらったら、山田くんの体型が良すぎて、どのスーツを着てもモデルみたいで、紳士服のマネキンみたいになっちゃって。どれだけダサいスーツを着せてもカッコよくなっちゃう。それは苦労したよね」と山田に同意を求めると、山田は「それはちょっと、僕の中では苦労と言うかわからないですけど」と笑わせると、監督は「俺は苦労したの」と苦笑いする場面も。

続けて山田は、「取り調べ室の中のシーンが多くて、撮る位置が限られてくるので監督も迷われたと思う」と慮った上で、「僕たちのお芝居を見て、ストレートにお芝居を見せようと思ってくださったのが嬉しかった」と振り返ると、監督も「この人たちに全部託そうと思った」と明かし、「お客さんは類家やタゴサクの表情を見たいだろうと思って、ふたり芝居だと思って託そうと思いました。結果的に本当にいいお芝居をしてくれたので助かりました」と感謝していた。

最後に、監督が「映画はいろんな奇跡が積み重なって、いろんな人の力によってできたものです。タイミングが悪ければ、僕は山田くんと出会わなかったかもしれないし、この映画は完成しなかったかもしれない。こうやって出来た作品を皆さんに観ていただけることがすごく幸せです」、山田が「たくさんの人が関わっていることも、お客さんに観てもらえないと報われない。ただ時間が過ぎただけになってしまう。こうして皆さんに時間を作って劇場に足を運んでいただいて、映画を観てもらえる喜びを噛みしめながら、皆さんの感想をほくそ笑んで眺めたいと思います」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2025年11月 8日更新）