ホーム > NEWS > W主演の堤真一と山田裕貴が 大阪での舞台挨拶に登壇! 映画『木の上の軍隊』大阪舞台挨拶レポート
沖縄県伊江島で、終戦を知らずに2年間ガジュマルの木の上で生き抜いた日本兵の実話を基にした、井上ひさし原案の舞台作品を映画化した人間ドラマ『木の上の軍隊』が、7月25日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。
太平洋戦争末期、米軍の銃撃に追い詰められ木の上に身を潜めたふたりの兵士が、極限状態の中で援軍を待つ様を描く。堤真一と山田裕貴がW主演を務め、『ミラクルシティコザ』の平一紘が監督を務めている。
そんな本作の公開を前に、7月17日(木)、大阪ステーションシティシネマで先行上映会が行われ、W主演の堤真一と山田裕貴が登壇し、上映後に舞台挨拶を行った。
堤が西宮出身であることがMCから告げられると場内からは「おかえり」の思いを込めた拍手が。生粋の阪神ファンの堤が「今年は調子いいですね。でも、まだまだ波乱があるから安心しない方がいい」と思いを語ると、山田は「昨日も携帯見て、「負けてる」って(笑)」呟いていたことを明かすと、堤は「昨日は負け試合だったので、若手を投げさせた。夏場に主力が疲れた時のために若手がこういう経験をしてるのはすごくいいこと」と先を見据えた展望を語っていた。
すると山田が「オールスターに9人選ばれてるところがちょっと...」と堤の思いを代弁すると、堤は「あれは危険」ときっぱり。堤は「本当はメンテナンスにあててほしい。9人もいったらほとんどやん」と嘆き、山田が「温存してほしいと」と代弁していた。
「大阪、大好き」と言う山田は、「大阪はお笑いの町なので。僕は愛知県名古屋市出身なんですが、土曜日の12時に必ず吉本新喜劇が流れていたのでそれを見て育った。日曜日は「横丁へよ〜こちょ!」を見て」と言うと、堤は「「花の駐在さん」じゃなくて?」と世代の違いで見ていた番組が違ったようだった。
本作を観た堤は「反戦の映画ですが、いかに生き延びることが素晴らしいかを描く。今の時代は当たり前だけど、生き残ることが恥とされた時代になんとか生きようとする姿は、いかに今が平和かということに気づくと思う。この平和を守っていかないといけないと思ったし、観終わっていい映画だなと思った」と本作への思いを語った。
山田も「戦争映画と聞くと気を引き締めなきゃいけないと思う方も多いと思う。でも、この映画は戦争の悲惨さを訴えかけたいわけじゃなく、価値観の違うふたりがどうやって一緒に生きていくか。食べ物や水、家がないと生きていけないけど、今は当たり前にそれがある幸せな時代を生きてる。でも、そうじゃない時代があったことを知らない世代が増えてきたので、そういうことを伝える映画だと感じた」と本作への熱い思いを語った。
本作が初共演だったふたり。堤との共演について山田は「楽しかった」と言い、「戦争を題材にしてる作品だからなのか、苦労したことはありますか?とよく取材で聞かれますが、何かを苦に感じたことはなかった。堤さんがいてくれるから安心感がありましたし、頼ります!という感覚だった」と振り返っていた。
ふたりだけの舞台挨拶は今日だけということで、「堤に聞きたいことがある」と言う山田。「クランクアップの時に僕が「堤さんありがとうございます!」って堤さんのところに行こうとしたら、堤さんの目がウルウルしてて。それは役の感情だったのか、僕と撮影を共に過ごした日々にウルウルしてたのかどっちかわからないけど、堤さんが「ありがとう!」って言ってハグしてくれた」と、堤の本音を探ろうとすると、堤は「あんなところで芝居するわけないだろ」と返し、「本当にお疲れ様という思いだった」と本音を明かすと場内からも大きな拍手が。
続けて堤は「多少は(芝居が)残ってたかもしれないけど(笑)」と笑わせながらも「戦友みたいな気持ちが強かった。いい作品にできたんじゃないかという思いもあったので、それは山田くんによるものが大きかったから、労いの言葉と感謝の思いでハグをしました」と思いを明かすと、場内からも拍手が。そしてMCが堤に「聞きたいことはありますか?」と尋ねると堤は「ないね」とキッパリ。山田は新喜劇ばりに舞台でズッコケていた。
最後に、山田が「モデルのおふたりがどんなことを感じながら木の上にいたのか、そこに思いを馳せながら1ヶ月間過ごしました。今を生きる全ての人たちに生きることが何より大事なんだと伝える映画だと思います。明日も頑張って生きるかという力を皆さんに与えることができたらと思っています」、堤が「死んでいく人たちを美しく描くのではなく、生き残ることが一番大事なんだと多くの人に伝えたい。沖縄の人たちの本当のことを伝えてほしいという思いと、彼らの前向きに生きる姿が反映されてる映画だと思う。僕たちの祖先が生き残ってくれたからこそ、今ここに存在してるんだと感じてもらえると嬉しいです」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
取材・文/華崎陽子
(2025年7月17日更新)
▼7月25日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開
出演:堤真一 山田裕貴
津波竜斗 玉代㔟圭司 尚玄 岸本尚泰 城間やよい 川田広樹(ガレッジセール)/山西惇
主題歌:Anly「ニヌファブシ」
原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案井上ひさし)
監督・脚本:平一紘
【公式サイト】
https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/394661/index.html