ホーム > NEWS > 主演の小栗旬と窪塚洋介らが 大阪での舞台挨拶に登壇! 映画『フロントライン』 大ヒット御礼舞台挨拶 in大阪レポート
新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、『生きてるだけで、愛。』の関根光才監督が映画化した医療サスペンス『フロントライン』が、大阪ステーションシティシネマほか全国にて上映中。
災害医療専門の医療ボランティア的組織・DMATが、未知のウイルスに立ち向かう様を臨場感たっぷりに描く。小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介ら豪華キャストが顔を揃えた話題作だ。
そんな本作の大ヒットを記念し、6月28日(土)、大阪ステーションシティシネマで、DMAT の指揮官・結城英晴を演じた主演の小栗旬と、DMAT 実働部隊のトップ・仙道行義を演じた窪塚洋介、そして増本淳プロデューサーが上映後に舞台挨拶を行った。
まずは小栗が「勇気をもらったという声をよく聞く」と話しだすと、すかさず窪塚が「結城だけに?」とツッコミを入れ、小栗は「結城だけに(笑)」と苦笑い。窪塚が「この映画のすごいところは、手前味噌ですが自分が登場人物だと気がつくという新しい映画体験ができるところ。こんな風に映画を観たことはなかったので、旬に声をかけてもらって素敵な作品に参加できて、大阪で旬と増本さんと登壇できることを嬉しく思ってます」と挨拶。
増本プロデューサーが「2020年に取材を始めた時は、こうして皆さんの前に立つことは想像してなかった」と話し始めると、小栗が窪塚に近寄って耳打ち。増本が「小栗さん聞いてる?」と問いかけるとふたりが苦笑いする場面も。「結果も良くて、尚且つ、皆さんからも愛されてる映画はなかなかないので幸運だと思ってます」と挨拶し、舞台挨拶は始まった。
窪塚の「小栗旬と大阪で御礼舞台挨拶をやりたい」という提案で実現した今回の舞台挨拶。先週も大阪で舞台挨拶に立っていた窪塚は「先週は20分だった。旬が来たら30分になった。嫉妬してます」と笑わせた。
大阪に来たのは「『人間失格』の舞台挨拶6年ぶり」だと言う小栗。窪塚曰く「ゴルフの先輩でもある」そうで、「初めたてのゴルファーなのに正座させられた」思い出は「2度と忘れない」ときっぱり。一方、小栗は大阪には「洋介くんに会いに来てる」という意識だそうだが、窪塚はすかさず「嘘です」と返し、小栗は「すぐ嘘だと言われるんだよな」とぼやく場面も。
相手の演技に震えた部分を聞かれると窪塚は「全体を通して良かったのは旬だと思う。(松坂)桃李のやった立松が最後に電話で結城に「自分がブレた」と言うシーンや、(池松)壮亮の真田と滝藤(賢一)さんの芝居は改めてこの間観て、いいシーンだと思った」と明かしていた。
小栗は「昨日、映画館で『フロントライン』を観たんですが、改めていい映画だった」と感慨深げに話すと、窪塚が「『国宝』じゃない?」と茶化し、小栗が「『国宝』は先週の水曜日に行こうと思ったら入れなかった」と返す場面も。
小栗が「僕はずっと言ってますが、池松くんがコーヒーを一気飲みするシーンが印象に残ってて。でも、その手前の滝藤さんもすごく良かった」と印象を語ると、増本が「実は、台本は途中までしか書かれてない。コーヒーを渡すまでしか書かれてない」ことを明かすと、「途中からはふたりで勝手にやってる」と裏話を披露すると、窪塚も「素敵なエピソードありがとうございます。初めて知りました」と観客と同じ目線で話し、増本は「これを明かすと皆さん、もう1回観たくなるかなと思って」と言うと、小栗も窪塚も同意していた。
さらに小栗は、「仙道先生良かったな~。カッコイイなぁ、仙道先生。ブレないんですよね」と窪塚の演じた仙道先生を褒めると、窪塚は「政治と命の間に置かれてる結城を支える仙道という構図だけど、我々の生きてきた道がそのまま映画にフィードバックできたので、台詞や芝居ではないところで出せた部分はあったと思う」と振り返り、小栗も同意していた。
そんなふたりに、次に一緒にやるとしたら?と尋ねると窪塚は「旬は忙しいから。そんな時間はないと思います」と言いながらも、「もうちょっと直接現場で会う役がいいね」と提案すると、小栗は「昨日、改めて本作を観て、DMATの話って他でもできるなと思ったんです。だから、もう1回結城ができたらと思います」と希望を語り、増本は「ほんとですか?」、窪塚は「誰か録音してますか?」と驚きつつも喜びを表現。
窪塚は「本作のモデルになった先生たちは今でも能登に寄り添ってる。我々はダイヤモンド・プリンセス号のことを映画化させてもらったけど、この瞬間にもどこかで同じような思いで医療に当たってるDMATがいることを日々感じてます」と言い、「もしかしたらスピンオフ編が...」と話し出すと、増本が「立松のスピンオフを」と返し、小栗が「俺たち全然出てこないじゃん。電話の声だけ?(笑)」と笑顔で返していた。
また観てほしいシーンを聞かれると、小栗は「真田が家に帰った後のシーンもすごく好き」だと言い、「奥さんが近づいてくると1歩引いちゃう真田先生がすごくいい」と言うと、増本は「あの台本は、おふたりの雰囲気を見て、当日書いた」と明かし、さらに「旬が「皆いいのに、俺だけは」って言ってたけど、屋上のシーンは小栗旬がかっこ良すぎるからもう1回撮ってほしいとプロデューサー人生で初めて言った」ことを明かすと、窪塚は「あれは逆光のせいだと思う(笑)」とまぜっかえし、小栗は「恥ずかしいな」と照れ笑い。
相手や自分を大切にするために心掛けてることを尋ねられると小栗は「この作品を通して、人としてどうあるべきかということを考えながら生きられる人になりたいと思った。基本的には、相手に対するリスペクトがあれば関係性はいいものになっていくと思う」と真摯に話すと、窪塚が「それはあれば返信も早くなると思います」とツッコミを入れ「全然返信してこない」とクレーム。小栗は「最近、めちゃくちゃ返信してる。すごく早く返してます(笑)」とタジタジだった。
最後に、窪塚「池松壮亮が「この映画の話をもらって、やるかやらないか考えた時に、DMATの方が船に乗るかどうか考えた気持ちと同じだったと思う。僕は船に乗れるように、この役をやるために役者になったんでしょと思った」という言葉がすごく心に響いた。誰もがコロナを体験して、あの時期に失ったこと、取り戻せないことがあっても、この映画を観ることで前に進むための力に変えられる作品だと思う。観た人が一緒に製作した人かのように誰かに勧めてくれる、こんな映画体験は今までなかった。公開すると僕たちは「いってらっしゃい」みたいな気持ちになる。公開した後も毎日誰かに宣伝して、公開が終わらないでほしいと思う作品は初めてなので、そういう作品に関われて感謝してます」と真摯に語っていた。
小栗が「この作品を観て勇気をもらったとか、感謝の気持ちがわいたという声をもらってる。自分自身も、もう1度自分の仕事に誇りを持ちたいと思えた作品になったので嬉しく思ってます。エンタテインメントや演じることを生業にしてきましたが、改めて、自分の仕事に誇りを持って進んでいきたいと思えたので、この作品に参加できて良かったと思ってます」と作品への思いを語り、「洋介くんは何回も言ってくれてますが、『フロントライン』で窪塚洋介と仕事ができてとても嬉しかったです」と付け加えると、窪塚が笑顔で「俺もだよ」と返し、この日一番の拍手が贈られ、舞台挨拶は終了した。
取材・文/華崎陽子
(2025年6月28日更新)
▼大阪ステーションシティシネマほか全国にて上映中
出演:小栗旬
松坂桃李 池松壮亮
森七菜 桜井ユキ
美村里江 吹越満 光石研 滝藤賢一
窪塚洋介
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才
【公式サイト】
https://wwws.warnerbros.co.jp/frontline/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/395823/index.html