主演の丸山隆平と古川豪監督が
大阪・なんばでの舞台挨拶に登壇！
映画『金子差入店』大阪舞台挨拶レポート

刑務所や拘置所への差入を代行する家族をめぐるヒューマンサスペンス『金子差入店』が、5月16日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。差入店を営む主人公がある事件をきっかけに、差入を通して犯人や関係者に向き合う中で、己の過去と対峙する様を描く。

丸山隆平が『泥棒役者』以来8年ぶりとなる主演を務め、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海、寺尾聰らが共演。そんな本作の公開を前に、5月1日(木)、大阪のTOHOシネマズなんばで行われた試写会に、丸山隆平と古川豪監督が上映前に登壇し、舞台挨拶を行った。

まずは、丸山が「大事な時間を割いていただき、ありがとうございます。上映前の試写会なので、ネタバレなどないように不器用ながらも作品の魅力を伝えられたらと思います」と挨拶し、舞台挨拶は始まった。

すると早速、客席を見ながら丸山と監督が会話を交わす姿が。何を話しているのかMCに聞かれると丸山は「ムビチケ100枚買ったっていう人と、11月26日が僕の誕生日なんですが、1126回観るという人が」と話すと、監督は「それだけの上映あるのかな？」と笑顔。丸山も「早速、ヒットの香りがしてきております」と笑顔でコメント。

今日の関西での舞台挨拶について丸山は「いよいよ皆さんの元に届くんだという実感が徐々に湧いてきてます」と率直な思いを語り、「とにかくたくさんの人に観てもらいたい」と言い、「今までにないぐらい単独で取材を受けて、バラエティ番組にも今までで一番出たので、僕史上一番忙しかったかもしれない。今日も関西の色々な番組に出させていただきましたから、ぐっすり眠れそうな気がしてます」と笑顔で話した。

開催中の大阪・関西万博について丸山は「インド館はもう開いたんですか？」とMCに尋ね、開いたことを聞くと「やっと開いたんですね！俺も気になってて。できるんだったら、iPS細胞から作成された「ミニ心臓」を見に行きたいと思ってる」ことを明かしていた。また、MCから「ステージもあるのでSUPER EIGHTでのライブは？」と聞かれると、丸山は「それは村上くんに掛け合ってもらえますか」と笑顔で返す場面も。

そして、差入店を本作のテーマに選んだ理由について監督は、「打算的なことを言うと、犯罪を扱うとドラマになることが約束されているのが1点と、滝田洋二郎監督の『おくりびと』での助監督経験から、特殊な職業を扱えたら自分にもチャンスが来るんじゃないかと思って脚本を練り続けました」と明かした。

そんな練り上げられた脚本を読んだ時の印象を聞かれた丸山は「皆さんと同じで差入屋という職業があることを知らなかったので驚いた」と言い、「その職業が社会からどう見えているのかということが、思わぬドラマを巻き起こしていく台本だったので、最初は情報量が多いなと思った」そう。それでも、「監督が今の日本に伝えたい思いが込められた台本だったので、すぐに「参加させてください」と返事しました」と振り返った。

そんな丸山を主演に選んだ理由について監督は「長編を撮ったこともない監督なので、最初は丸山さんを念頭に置けるような状況じゃなかった」と話し、「(丸山のことを息子のように思っている)あるベテランプロデューサーから、「だったらうちの隆平を使え」と言われた」ことを明かしていた。

実は、その前に丸山とプライベートで食事する機会があったそうで、「丸山さんから「芝居見てください」と言われて、延々30分間エチュードが続いた」ことを明かし、それを見て「本当にお芝居が好きなんだ」と思ったそう。それでも、古川監督は「今でも(丸山から)OKをいただいた日は覚えています」と感謝の思いを語っていた。

本作に出演した後の心境の変化について丸山は「両親に会いに行った」ことを明かし、「もう1度家族と向き合ういい機会になったと思います。僕にとっては、この作品が家族の絆に大きな影響を与えてくれたので、皆さんにこの作品がどんな風に作用するのか楽しみです。とりあえずＸで確認しようと思ってます(笑)」と笑顔を話した。

最後に、監督が「初長編です。拙いところもあるかもしれませんが誠心誠意作りました。皆さんに楽しんでもらえれば嬉しいです」、丸山が「普段はSUPER EIGHTというスーパーアイドルをやっていて、メンバーとともに日常を忘れるような仕事をしてるんですが、本作は目をそむけてはいけない現実を見つめながら、その中に希望を見出す作品です。それぞれが優しさを少しずつ持てばいい社会になることに気づいて、自分の周りの大切な人のことを見つめ直す機会になれば嬉しいです」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2025年5月 1日更新）