中島健人＆miletが大阪での舞台挨拶に登壇！
映画『知らないカノジョ』大阪舞台挨拶レポート

フランス映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』を基に、設定や舞台を変えてリメイクしたラブストーリー『知らないカノジョ』が、2月28日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。

大学時代に出会い、恋愛結婚し、ベストセラー作家になったリクと彼を支えていたミナミ。喧嘩した翌朝に目覚めると、社会的ステータスが逆転。リクは編集者でミナミはシンガーソングライターになっており、しかもふたりが出会っていない世界だった...。なんとか元の世界を取り戻そうと奔走するリクの姿を描く。

三木孝浩が監督を、中島健人が主演を務め、シンガーソングライターのmiletがヒロインのミナミ役で映画初出演を飾っている。そんな本作の公開を記念し、2月8日(土)、TOHOシネマズ梅田で、中島健人とmiletが上映前に登壇し、舞台挨拶を行った。

初めて三木組への参加となった中島は「10年前から三木組に入るのが夢だった」と明かし、「STARTO社の後輩や同世代の方は出ているのに、待てど暮らせど縁がなくて。いつ自分に機会が来るのかと思っていたら、新しいスタートを切るという絶妙なタイミングで三木組に入れた。リクを演じるに当たっても、まっさらな状態で演じられたので感謝しています」と振り返っていた。

そして、俳優としてのオファーを受けたmiletは「びっくりしました。私でいいんですか？と聞きましたが、三木監督が「ぜひ、miletで」と。脚本も当て書きしてくださって。そんなに言ってくださるなら、私もデビュー5周年を迎えて新しいことにチャレンジしてみたいと思っていたので、三木監督の作品で、中島さんが主演というのも安心できたので、トライしてみました」と、オファーを受けた時の心境を明かした。

ふたりに初めて完成作を観た時の心境を尋ねると、中島は「素の自分が切り取られすぎていて、見られたくないと思った」と明かし、「普段、アイドルをやっているんですが、完成したものをお届けするのが今までのスタンダードだった。最近になってようやく、自分の人間性の延長戦にある役に挑戦させていただく機会も増えてきた。ここまで顔をぐちゃぐちゃにして泣く表情を撮られたのは初めてで。個人的にはホームビデオを見られているような感じもあって。完成してない中島健人をこの映画で見ていただければと思います。普段は完成してるんですけど」とオチをつけつつ、ポーズをとり、客席からの歓声に応えていた。

リクついて中島は、「そっくりなような気がします」と言い、「僕はやると決めた道にとことん突き進んでいくタイプ。素直に助けてほしいと言っていくリクの姿も自分を見ているようだった。生き写しのような人物に思えた。序盤に張り詰めちゃうシーンがあるんですが、それは僕のリアルに近いかも」と話すと、miletは「素で怒鳴られているような気がして、普通に傷ついた」と笑顔で明かし、中島は「すいませんでした」と謝罪。

miletは「それぐらいリアルだった。クランクインの日には完全にリクで現れて。キラキラオーラの中島さんからは想像できないような、全ての装飾品を取り去った、ありのままの中島さんが現れて、「リクだ」と思った。そのリクとの掛け合いでミナミの人格もできあがっていきました」と中島の存在に助けられていたよう。

また、主題歌「I still」や劇中歌「Nobody Knows」の制作についてmiletは「ミナミに楽曲提供しているような気もしましたし、ミナミと2人で共同制作しているような気もして。今回は1人で曲を作っていない感じがして心強かったです。ミナミと自分が重なるところを探して、そこから大切な人にどんな言葉をかけたいか考えて、手紙を書くように曲を書きました」と制作の裏側を明かしていた。

miletの曲を聞いて中島は「表現力の深さに、リクとしても中島健人としても心を揺さぶられたし、表現力の深さに脱帽しました」と言い、「曲を聞くと涙腺が緩んで涙してしまうので監督に聞くのを止められた」ことを明かし、「できるだけmiletさんの音楽を聴かないようにする努力をした。大切なタイミングで聞くために、リクの感情のためにバランスをとって。曲を聞いてリクの感情を高めていました」と振り返った。

それを聞いてmiletも「レコーディングしながら、曲が自分に問いかけている気がして。涙をこらえながらレコーディングしていました。本当に大切な曲になりました」と感無量の面持ち。重ねて中島は「いつものmiletさんの歌唱は文学的な世界観があるけど、ミナミの時はカジュアルに歌っている感じがして。こんな切り替え方ができる方なんだ、と。俳優としてもリスペクトしましたが、改めてアーティストとしても尊敬しました」と言葉を尽くして称賛。miletは「嬉しいですね、こんなに褒めていただいて」と恐縮していた。

本作の設定である、ある朝目覚めたら大スターではなく一般人になっていたら？という問いかけに中島が「再びケンティを目指すと思います」と答えると、場内からは笑い声とともに拍手が。敢えてカジュアルに言うと、「カフェの店員さんをやりたい」と明かし、「いずれにしても人と繋がる場所にはいたと思う。だから、僕がこういう職業じゃなかったとしても、きっと皆さんとはどこかでお会いしてたと思う」と客席に話しかけていました。

miletは「今日、たこ焼きを食べてたこ焼き屋いいなと思った」と言い、「たこ焼き屋さんにうまく焼くコツを聞いてまわった」と明かし、「創作料理が好きなので、イタリアンたこ焼きとか普通にないような味のメニューを出したい。変なたこ焼きを出すカフェってどうですか？」と中島に問いかけると、中島は「全然いいと思う。ボロネーゼたこ焼きとか」と乗っかる場面も。

さらに中島は「たこ焼きは小さい頃から大好きで、「銀だこ」派だった」と明かし、「大阪で「銀だこ」はNGじゃないですよね？」とMCに確認した上で、「めちゃくちゃ好きです。チーズめんたいとか」と言うと、miletは「私は「くくる」のソースだくだくのが好きなんです」と言い、中島も「出汁系だよね？」と盛り上がっていた。

最後に、miletが「初めて演技に挑戦させていただいた作品です。大切な人がかけがえのない存在であると感じさせてくれる素敵な作品です。この作品が少しでも長く皆さんの心に残ってくれると嬉しいです」、中島が「僕にとって10作目の映画で、人生の大きな転換期の中で撮影しました。昨日の自分の選択に後悔していても、この映画を観れば、今日の自分に自信が持てるし、明日の自分の背中を押してくれるような気持ちになると思います。もしもの世界を描いた映画ですが、自分の人生に重ね合わせて観てもらえると嬉しいです。皆さんの心にこの作品が届くことを願っています」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2025年2月 8日更新）