ホーム > NEWS > 「室井はおそらくこれが最後ですが、 『踊る』は永久に不滅です」 柳葉敏郎、福本莉子、本広克行監督、 亀山千広プロデューサーが大阪で舞台挨拶に登壇! 『室井慎次 生き続ける者』大阪舞台挨拶レポート
"青島と室井の約束"から27年の時を経て、社会現象となった『踊る大捜査線』シリーズのプロデューサー亀山千広、脚本の君塚良一、監督の本広克行が再集結した、"踊るプロジェクト"映画最新作『室井慎次 生き続ける者』が、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて上映中。
警察を早期退職して、犯罪加害者・被害者家族を支援している室井慎次が、故郷・秋田で発生した死体遺棄事件に直面し、捜査に協力しながら"家族"を守ろうとする姿を描く。室井慎次役は柳葉敏郎、その他、福本莉子や齋藤潤、松下洸平が出演し、筧利夫と真矢ミキが『踊る大捜査線』シリーズから続投。
そんな本作の公開を記念し、11月17日(日)、TOHOシネマズ梅田で、室井慎次役の柳葉敏郎、日向杏役の福本莉子、本作の監督を務めた本広克行、そして「踊る」シリーズの生みの親である亀山千広プロデューサーが登壇し、上映後に舞台挨拶を行った。
鳴りやまない大きな拍手に迎えられて4人が登場し、柳葉が「いかがでしたでしょうか」と観客に問いかけると大きな拍手が。「27年間付き合ってきた室井の生き様を皆さんに見届けていただきました。少しの時間ですが同じ気持ちを共有させてください」と挨拶。
そして、日向真奈美の娘・杏を演じた福本が「ようこそTOHOシネマズへ」とTOHOシネマズの幕間映像でお馴染みのTOHOナビゲーターの声で挨拶すると場内からは大きな拍手が。さらに、「ただいま。地元・大阪で、よく来ていたTOHOシネマズ梅田に皆さんと立つことができてとても嬉しいです」と話し、舞台挨拶は始まった。
MCから先日の「ごぶごぶ」出演の話題を振られると場内からは大きな拍手が。柳葉は「浜ちゃんと会うのも久しぶりだった」と明かした上で、「楽しい時間でした。行くところ行くところで大阪の方の熱い気持ちが伝わってきて、丸1日楽しく過ごしました」と感謝の言葉を述べていた。
また、映画が公開された今の心境を尋ねると柳葉は「感謝の気持ちだけです」ときっぱり。「当初は断ろうと思っていた」と振り返り、「亀山氏との何度かの会合を経て、この作品をやる覚悟が決まるんですが、今は、なぜあの時、断ろうと思ったのかと反省しております」と明かし、「27年間付き合ってきた大親友をこういう形で締めくくらせていただいて幸せです」と熱い思いを語っていた。
本広監督も「最初は僕も断った」と苦笑い。「「踊る大捜査線」を見ていた方は室井さんが死ぬところを見たくないじゃないですか。最初はなんでこんなことやるんだろう?と思って断ってたんですが、亀山さんが見事に論破して、僕も柳葉さんもまんまとやってますが、本当にやって良かったと思います」と思いを語ると、すかさず柳葉が「今日、真面目じゃない?」とつっこみ、本広監督は「今日は亀山さんがいるから。上司みたいなものなので(笑)」と笑わせた。
一方、亀山プロデューサーは「大変でした」と断言。「脚本家の君塚さんから一昨年の年末にメールで「柳葉敏郎を解放させてあげたい」と。引き受けたものの、当時も今も僕は会社のお偉いさんやっているものですから(笑)、プロデューサーをやれると思わなくて、早めに柳葉さんと本広監督を説得して脚本を作って後はお渡しすればと思ったら、大間違いだった」と嘆き、「柳葉さんは「なんで今、室井をやるんだ」としか返ってこない。コメディが好きな監督は「ほとんどコメディのない脚本を撮りたくない」と逃げて。それを説得するのに1年以上かかった」と映画制作にたどり着くまでの顛末を明かしていた。
さらに、「挙句の果てに柳葉さんとは大喧嘩もしました」と明かし、「その瞬間、本広監督は下を向いてニコニコ笑ってるんです」と恨み節。本広監督は「これで(映画が)なくなると思って」と笑わせ、亀山プロデューサーは「聞いたら、休暇のことを考えてたって言うから悔しくなって。全部、僕が矢面に立ってやってやる、と作り始めて、今ここに立っています」と作品への思いを明かした。
続けて、亀山プロデューサーは観客に向かって「すみません。室井慎次はこれで最後になりますが、柳葉敏郎はまだまだ芝居をしていきますので、皆さんの熱意が強ければ幽霊で登場していただけると...」と語りかけると、場内からは大きな拍手が。すかさず柳葉は「誤解させるような発言をするな」と否定するも「くそ~、先手打ちやがったな」と笑わせた。
そして、本作への出演が決まった時の心境を福本に尋ねると「私が生まれる前から柳葉さんは室井さんをやってらっしゃると思うんですが、まさかこんな大プロジェクトに参加できるなんて。すごく嬉しかったんですが、役名を聞いた時はえっ⁉と思いました。日向真奈美さんの娘って...どうしよう?と悩みました」と心境を明かしていた。
最後に、観客からの質問を募集し、実際に質問者の元へ登壇者がマイクを持って走ることに。長年のファンだという観客から涙ながらに「柳葉さんが室井さんへ言葉をかけるとしたら」と問われると柳葉は、「彼に声をかけるとしたら「ようやったな」ですね」と涙声で語り、「後は感謝です。俺と27年間付き合ってくれてありがとう」と涙をこらえながらコメント。場内からは温かな拍手が起きていた。
亀山プロデューサーはそんな感動的な場面を受け、「室井さん殺害を計画したのは僕ですが」と前置きした上で、「実行犯は本広監督なので」と笑わせ、「室井さん、僕らを逮捕しますか?」と柳葉に問いかけると柳葉は「現場の君たちを信じる」と室井の台詞で返し、場内からは大きな拍手が。
最後に柳葉が、「改めて、ありがとうございます。今も言いましたが、27年間一緒に時間を過ごしてきた男です。室井は敗れざる者であり生き続ける者です。彼の生き様や心意気、愛など、皆さんが感じたものを時々思い出してやってください。室井はおそらくこれが最後ですが、『踊る』は永久に不滅です。皆さんに支えられた男の生き様を今一度、心の中で振り返ってみてください」と思いを語り、観客から「室井さん、ほんまに、ありがとう」とメッセージを送られ、舞台挨拶は終了した。
取材・文/華崎陽子
(2024年11月18日更新)
▼TOHOシネマズ梅田ほか全国にて上映中
出演:柳葉敏郎
福本莉子 齋藤潤 前山くうが・前山こうが
松下洸平 矢本悠馬 丹生明里(日向坂46) 松本岳 西村直人 真矢ミキ 筧利夫
飯島直子 小沢仁志 木場勝己 加藤浩次 稲森いずみ いしだあゆみ
プロデュース:亀山千広
脚本:君塚良一
音楽:武部聡志
監督:本広克行
【公式サイト】
https://odoru.com/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/353663/index.html