ホーム > NEWS > 池松壮亮が大阪での舞台挨拶に登壇! 石井裕也監督が平野啓一郎の同名小説を 池松壮亮をはじめ、水上恒司、仲野太賀、綾野剛、 妻夫木聡ら豪華キャスト陣を集結させて映画化 映画『本心』大阪舞台挨拶レポート
平野啓一郎の同名小説を『愛にイナズマ』の石井裕也監督が映画化した近未来ヒューマンミステリー『本心』が、11月8日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。急逝した母の本心を知るために、仮想空間に母をよみがえらせた息子が、自分を見失っていく様を描く。
池松壮亮が主演を務め、田中裕子が生身とヴァーチャルフィギュアの二役を演じる他、共演に三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、綾野剛、妻夫木聡ら豪華キャスト陣が名を連ねる話題作だ。そんな本作の公開を記念し、10月31日(木)、TOHOシネマズなんばで、主演を務めた池松壮亮が上映後に登壇し、舞台挨拶を行った。
まずは、池松が「ハッピー・ハロウィン」と挨拶し、「大阪に来て作品を手渡しできる機会をいただけてとても嬉しいです」と感謝の言葉を述べ、舞台挨拶は始まった。
昨日から大阪に入っている池松。今回の大阪滞在については「昨日の夜と今日のお昼は外に出て食べることができた」と言い、「ドジャース戦があったので、取材に身が入らなかった(笑)」と笑わせながらも、「うどんすきが有名な「道頓堀 今井」さんに行った。とても美味しかったです。そこでドジャース優勝の瞬間を見ました」と笑顔で語っていた。
大阪の街の様子については、「仮装されてる方も多いし、とにかく人が多くて。いつも大阪は活気があるイメージですが、ハロウィンだからかいつもに増して多かったです。交番で警察官に怒鳴っているおじさんがいて。やっぱり大阪すごいな(笑)」と言うと、場内からも笑い声が起きていた。
本作の映画化のきっかけは池松から監督への働きかけだったそうだが、原作に惹かれた理由について池松は「2020年の夏に出会った。その頃は、映画制作はもちろん、世の中全体が止まっていた」と前置きし、「これから自分たちはどこに向かっていくのか、この暗闇はいつまで続くのかという状態だった。この原作には、コロナは描かれてなかったけど、アフターコロナで起こるようなことがほとんど描かれていると感じた。何より「母を作ってほしい」という強烈なひと言に衝撃を受けた」と明かしていた。
少し先の未来を描くことについては、「自分たちの知らない間に、コロナ以降、急速にテクノロジーが進化してる」と実感を語り、「AIの監修に入ってもらった方から「今年の公開がすごくタイムリー、幸運です。去年だったら認識してもらえなかったかもしれないし、来年だったら遅かったかもしれない」と言われた」と振り返り、池松自身も考えさせられたよう。
また、池松演じる主人公の母親を演じた田中裕子については、「原作を読んで、他の方は浮かばなかったが、母親だけは田中裕子さんが浮かびました。田中さんは僕からすると伝説のような方。まさか共演できるとは思わなかったけど、田中裕子さんが浮かんだことは石井監督に伝えました」と田中との共演は念願だったよう。
そして、Q&Aコーナーでは「池松さんがもしリアルアバターを使うなら?」と、劇中の主人公の仕事であるリアル(現実)のアバター(分身)として依頼主の代わりに行動する業務、リアルアバターにちなんだ質問が。池松は、少し考え「代わりに映画を宣伝してもらいたい(笑)」と苦笑い。「でも、大阪には来たいので、代わりに宣伝してもらって僕はどこかへ(笑)」と笑わせた。
最後に、「人間の欲望は止められないしどんどん進化していくと思う。人間の存在価値や愛について、この物語を通していろんなことを考えてほしい。また大阪に戻ってこられて嬉しかったです。皆様の中にいい余韻が残って何か持ち帰っていただければと思います。ハロウィンの日にこの映画を選んでいただきありがとうございました」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
取材・文/華崎陽子
(2024年10月31日更新)
▼11月8日(金)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:池松壮亮 三吉彩花 水上恒司 仲野太賀 綾野剛 田中泯 妻夫木聡 田中裕子
原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク)
監督・脚本:石井裕也
【公式サイト】
https://happinet-phantom.com/honshin/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/360486/index.html