ホーム > NEWS > 松本幸四郎、市川染五郎、中村ゆりが 大阪での公開記念舞台挨拶に登壇! 劇場版『鬼平犯科帳 血闘』大阪舞台挨拶レポート
池波正太郎の三大シリーズに数えられるベストセラー小説『鬼平犯科帳』を、2023年から行われている生誕100周年記念の一環として、松本幸四郎を主演に迎えて映画化した劇場版『鬼平犯科帳 血闘』が、大阪ステーションシティシネマほか全国にて上映中。主人公の鬼平こと長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、それぞれの時代で大切な人のために戦う平蔵の姿を描く。
長谷川平蔵を松本幸四郎が、"若き日の鬼平"こと長谷川銕三郎を市川染五郎が演じ、仙道敦子、中村ゆり、火野正平、北村有起哉、柄本明らが出演している。そんな本作の公開を記念し、5月11日(土)、大阪ステーションシティシネマで、松本幸四郎と市川染五郎、そして密偵のおまさを演じた中村ゆりが上映後に登壇し、舞台挨拶を行った。
まずは、幸四郎が「キャスト・スタッフ一同ひとつになって、新たな『鬼平犯科帳』を作り上げました」、染五郎が「こだわりが詰まった作品を、やっと皆さんにお届けできることを嬉しく思っています」、中村が「大阪府寝屋川市香里園出身の中村です。こんなに素敵な作品を持って地元・大阪に帰ってこられて感激しています」とそれぞれ挨拶し、舞台挨拶は始まった。
大阪の印象について幸四郎は「松竹座によく来させてもらってるので、劇場での印象ですが」と前置きし、「舞台と客席の雰囲気が他の場所とは違う。大阪は反応がとてもストレートで、面白い時は面白いという反応を感じますし、つまらない時はつまらないという圧を感じる。緊張する一方で、やりがいがある場所でもあります」とコメント。
染五郎は「昨年の7月にひと月の歌舞伎の公演で初めて大阪に来ました。先ほど、父も言っていたようにストレートに反応してくださるので、それが嬉しくもあり、毎日怖くもありました(笑)」と苦笑い。
中村は、「寝屋川で育った子が女優になれるんやというのが私の感想です」と大阪弁で話し出し、「大人になって改めて、大阪、関西にしかない人との距離感や率直さ、人情を感じて、そういう場所で育って良かったと感じる」と大阪の良さを語り、舞台挨拶を行っている劇場のある梅田については「香里園住んでた時はこんなところ来てない(笑)」と大阪弁で話していた。
幸四郎と中村に共演した印象を尋ねると幸四郎は「素敵な方です」と即答。中村が「なんでそんなににやけてるんですか(笑)?」と確認すると、幸四郎が「現場でも、今のような天然な雰囲気が全く変わらなかったのがすごい」と返し、すかさず中村が「そっくりそのままお返します」と笑顔でコメント。重ねて中村は「幸四郎さんはしっかりしてるというパブリックイメージがありますが、実はフワフワ系男子(笑)」と笑わせ、「全く緊張しない空気感を出してくださるから、どんどん図々しくなっちゃって、近所のお兄ちゃんみたい(笑)。それだけ懐が深いんです」と独特のコメントで称賛していた。
そして、観客から「殺陣について」質問されると幸四郎は、「劇場版、大スクリーンで観ていただく殺陣なのでプレッシャーはあった」と言い、「最後は特に、一歩ずつおまさに近づいていく殺陣なので、一手一手に意味があると思って殺陣をしていた。リアルとエンタテインメントのバランスを緻密に考えながら、見どころになるようにどのように作り上げていくか。そういう積み重ねでした」と殺陣に込めた思いを語ると場内からは拍手が。
そんな幸四郎の殺陣について中村が、「さすがにかっこよかったです」とコメントすると、すかさず、幸四郎が「さすがにってどういう意味?」と問いかけ、中村が「すごくかっこよかったです」と言い換えると、幸四郎は「それは意外性ということですか?」と返し、中村は「そんなんもできるんや(笑)」と冗談ぽく返し、場内からは笑い声が。
また、「役と似ている部分や違う部分は?」という質問に対して中村は、「私は、クールでミステリアスなおまささんとはかけ離れてる」と言いながら、「おまささんが自分の尊厳を守り、決してぶれないところは共感する部分だった」とコメント。
染五郎は、「銕三郎が自分の好きなことに対して熱くなる、突っ走ってしまうところは似てるかもしれない」と言い、「普段の自分とは似てませんが、やりがいがありましたし、銕三郎のように骨太で荒々しい役の方が演じるのも見るのも好きなので、この役に出会えて嬉しかったです。愛着のある役になりました」と銕三郎という役への思いを語った。
最後に、幸四郎が「『鬼平犯科帳』が新たに始まりました。私個人としては、祖父(初代松本白鸚)が初めて長谷川平蔵を務め、叔父(中村吉右衛門)が長い時間をかけて多くの作品を作り上げました。私がやるのは運命、天命だと信じてこの『鬼平犯科帳』に取り組みました。歴史のある『鬼平犯科帳』だからこそ、色々な見方があると思います。今の時代だからこそ、『鬼平犯科帳』という人間ドラマが必要だと思えるように、スタッフ・キャスト一同力を合わせて作り上げました」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
取材・文/華崎陽子
(2024年5月11日更新)
▼大阪ステーションシティシネマほか全国にて上映中
出演:松本幸四郎
市川染五郎 仙道敦子 中村ゆり 火野正平
本宮泰風 浅利陽介 山田純大 久保田悠来 柄本時生/松元ヒロ 中島多羅
志田未来 松本穂香 北村有起哉
中井貴一 柄本明
監督:山下智彦
原作:池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫刊)
【公式サイト】
https://onihei-hankacho.com/movie/
【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/338095/index.html