主演の眞栄田郷敦と半野喜弘監督が
大阪での舞台挨拶に登壇！
映画『彼方の閃光』大阪舞台挨拶レポート

写真家・東松照明の作品に着想を得た、音楽家の半野喜弘が監督を務めるロードムービー『彼方の閃光』。眞栄田郷敦演じる主人公の光が、長崎、沖縄の戦争の傷痕にいまだ苦しまされる現地の人々と出会い、その声に耳を傾けながら旅を続けていく様を描く作品だ。そんな本作の公開を記念し、1月28日(月)、TOHOシネマズなんばで、眞栄田郷敦と半野喜弘監督が舞台挨拶を行った。

登壇後、満席となった客席を見渡しながら眞栄田は「全国で公開されてたくさんの方に観ていただいてすごく嬉しいです。大阪にも来ることができてすごく嬉しいです」と挨拶。監督も「企画の段階からすごく大変な映画だったので、皆さんに見てもらえることを嬉しく思ってます。ありがとうございます」と観客へ感謝を伝えた。

役者への演出について監督は、「役者たちが役を超えて本人として生きてるような感覚で映画を作ることができたので、撮影の途中ぐらいからは郷敦に"君が光なんだから、ここでどんな風に振る舞う？"とか、"光がそう言うんだったらそうだね"とお互いに確認しながら一緒にキャラクターを構築していきました」と語った。

それを受けMCから、光になれた手ごたえを感じる瞬間はあったか聞かれると、眞栄田は「長崎、沖縄のロケーションの説得力が強かったので、途中からはドキュメンタリーのような感覚...というか、(役の)光として生きているんですが、その場で感じるのは僕自身だったので不思議な感覚でした」と当時を振り返った。

また、急きょ観客からの質問に答えることになり、光を演じるにあたって一番苦労したシーンを尋ねられた眞栄田は「最後に友部(池内博之)と言い合うシーンは、現場を止めましたよね(笑)。監督から"何を言うかは任せる"と言われて、任せてもらって。あの時間は、この作品にとって大事な時間だったと思います」と当時の撮影を振り返った。

劇中、池内と眞栄田が海で泳ぐシーンがあるがなんと撮影時期は11月。寒い中での撮影に加え、船での乗り降りが多かったため船酔いしていたと告白した眞栄田。「パンフレットの中に、俺が船酔いしてる写真が載ってますよね？ もしかしたら...」と貴重なオフショットがあるかもしれないと会場を賑わせた。(しかしパンフレットに船酔い写真は無かったため、舞台挨拶後公式Xに眞栄田の船酔いオフショットが公開された)

最後に、眞栄田は「長く残る、そして広く伝わる映画になってほしいと思ってます。戦争や世の中のこと、自分の人生のこと、いろんな問いかけがある映画で、たくさんのことを感じていただいたと思います。その思いやこの映画について、ぜひ一緒に広めていただければ嬉しいです」と作品に対する思いを込めた。

監督は「企画の時から実現させるのは不可能だと言われ続けてきたのですが、郷敦はじめ素晴らしい俳優陣と大勢のスタッフに協力してもらって公開するところまできました。この映画は"今"観てもらいたいと思っています。そして、劇場で観る、体感することを前提に作った作品でもあります。少しでもたくさんの人たちに見てもらいたいと思ってます」と大阪での舞台挨拶を締めくくった。

（2024年1月29日更新）