吉永小百合、大泉洋が大阪で舞台挨拶に登壇！
映画『こんにちは、母さん』大阪舞台挨拶レポート

山田洋次監督90本目となる最新作で、吉永小百合を主演に迎えた『こんにちは、母さん』が、9月1日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国で公開される。日本を代表する劇作家であり、演出家としても数々の名優と舞台を創ってきた永井愛の同名人気戯曲を原作に、いつまでも変わらない親子の姿を描く。

数々の映画・ドラマに出演し、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での好演が記憶に新しい大泉洋や、『キネマの神様』に続き二度目の山田組参加となる永野芽郁をはじめ、寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌ら豪華俳優陣が集結した。そんな本作の公開を前に、7月10日(月)、あべのアポロシネマで、主演の吉永小百合と、吉永小百合演じる福江の息子・昭夫を演じた大泉洋が上映前に登壇し、舞台挨拶を行った。

観客からの大きな拍手と歓声で迎えられ、吉永が「大変な倍率の中でいらしたとお聞きしております。これから映画を観ていただけるということ、嬉しく思っております」と挨拶。MCから150組の募集に4000の応募があったことが明かされると、会場からは大きな拍手が。それを受けて大泉は「たくさんの応募の中から当選されたということで運を使い果たしたんじゃないかと」と笑わせると、場内からは大きな笑い声が。

本作で演じた役柄について吉永は「今回は足袋屋のおかみさんなんです。夫が死んでしまって足袋屋で生きてきた気概や下町堅気を出したいと思った。映画の中で息子に「おまえ」って声をかけたのは初めて。私にとって画期的なことだった」と振り返っていた。

人事部長を演じた大泉は「人事部長を演じたのは初めて。ついこの間までテレビで刑事をやっていたけど(笑)」と前置きし、「人事部長の経験はないけど、同僚の肩をたたかなきゃいけないのは辛いだろうな、と。母親に甘えて、辛いことを言ったりしてしまうことってあるんですよね。男にとって母親というのはそういう存在なのはよくわかる。僕も北海道に帰ったら母親に愚痴を言ってしまうのに、ややこしく言われるとうるさいなと言ってしまう。今回演じた昭夫さんの気持ちはよくわかると思った」と役柄への思いを語っていた。

そして、大泉の事務所から吉永に大泉が幼い頃の写真が渡されていたことが話題になると吉永は、「たくさん写真をお借りしたんです。小さな坊やが公園で鳩を見てるものや、お風呂から出てきたばかりの坊やの写真があって。誰にも見せられないけど、これが私の息子なんだと感じられる素晴らしい写真でした」と振り返っていた。

それを聞いた大泉は「私はどんな写真が送られているか知らなかった」と言い、「まさか風呂上がりの裸の写真を見られているとは(笑)。そこまで見られているかと思うと恥ずかしい」とはにかみながらも「吉永さんに見ていただくのは知っていたんですが、その写真が本編に使われているんです。私も試写で観てびっくりしました」と驚きを隠せない様子だった。さらに、「許諾はなかったんです」と言いながらも、「山田洋次監督の作品に自分の子どもの頃の写真を使ってもらえて嬉しかった」とオチをつけた。

さらに、観てほしいシーンを問われた吉永が、「あるシーンで昭夫さんが追い詰められて、私がパッとかばってあげて、昭夫さんが私の後ろに隠れるお茶目なシーンがあるんです。そこはぜひ見てほしい」と微笑みながら話すと大泉は爆笑。それを受けて大泉は、「本当だったら僕が守らなきゃいけないのに、思わずパッと吉永さんを盾にしてしまった」と振り返り、「気が付けば吉永さんの後ろに隠れていました(笑)」と言うと吉永も「あれは最高でした」と笑っていた。

最後に、大泉が「どの世代が観ても共感できて、スリリングでハラハラもする映画だと思う。映画館でその映画を観たいと思う人が集まってたくさんで観るとまた楽しさを感じられると思うので、多くの方に劇場でこの映画を笑って泣いて観ていただけると嬉しいです」、吉永が「私は山田洋次監督ではなく山田ようい監督とあだ名をつけてしまったほどに、せっかちな方で。撮影が始まると何度も「よういようい」とおっしゃるんです。今回もそんな監督がお心を込めて私たち出演者を導いてくださった作品です」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2023年7月10日更新）