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門井慶喜による直木賞受賞作を
役所広司&菅田将暉共演で映画化!
主演・役所広司&成島出監督が舞台挨拶に登壇!
映画『銀河鉄道の父』大阪舞台挨拶レポート

門井慶喜による同名直木賞受賞作を映画化した、親子愛の物語『銀河鉄道の父』が、5月5日(金・祝)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開される。2023年に没後90年を迎える文豪・宮沢賢治の生涯を、父親の視点から家族をめぐる物語として描き出す。

役所広司が厳格であろうとするも、賢治を甘やかしてしまう父・政次郎を演じ、菅田将暉が親泣かせの我が道を行く宮沢賢治に扮している。そのほか、森七菜、坂井真紀、田中泯らが出演し、『八日目の蝉』の成島出が監督を務めている。そんな本作の公開に先立ち、4月11日(火)、TOHOシネマズ梅田で役所広司、成島出監督が先行上映会の上映前に登壇し舞台挨拶を行った。

まずは、役所が「この映画が面白かったら皆さん宣伝してくださいね」とはにかみながら挨拶。場内からは大きな拍手が送られていた。監督は「実は、役所さんと最初にご一緒したのがここ大阪でした。我々の原点である大阪に、ふたりで戻ってこられて、この映画を皆さんに観ていただけて感無量です」と、ふたりの原点を振り返りながら挨拶。役所は「まだ若かったですね。30年以上前ですか?シャブが体質に合う男の話でした」とふたりの初めての仕事となった『シャブ極道』を懐かしんでいた。

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そして、長い付き合いとなる互いの存在について聞かれると監督は、「お師匠さんの仲代達矢さんが名付けられたとおり、役所に勤めていたことと、役どころ広し、何でもできるようにという意味が掛けられていますが、まさにその通り」と役所のことを絶賛。役所は「監督は、インディーズ映画の中では名作と言われている『シャブ極道』で脚本を書かれて、『しのいだれ』では助監督。その頃からの仕事仲間であり、友人でもあります。今や監督と使ってくれる俳優という立場。たくさんの映画を知っていて、日本映画への愛情がとても深いので、すごく信頼している監督です」と最敬礼。

また、原作を映画化したいと思ったきっかけについて監督は、「(宮沢賢治の父)政次郎さんは厳しい方で、最後に宮沢賢治を褒めたというのが通説でした。でも、大阪在住の門井先生の本では明治時代に親バカでイクメンのはしり。面白くて、目から鱗でした。これは役所さんにやってもらおうとすぐに持って行きました。普通はシナリオにしてからオファーするのに、役所さんと菅田くんのところには原作を持っていった」と原作に惚れ込んだ思いを熱弁。

そのオファーを受けた役所は、「成島監督から久々にお声がかかったので、まずはやらなければと思った」と言い、「宮沢賢治のことも不勉強で、お父さんの政次郎さんのことは全く知らなかった」と前置きし、「今までは渡哲也さんのような重厚な俳優さんが演じてこられてきましたが、僕の中では門井先生の書かれた政次郎さん。厳格そうにしているけれど、どこか隙だらけで、ユーモアがあって愛嬌がある。それを見て子どもたちや妻はくすくす笑っている。そういう父親像が面白いと思った」と政次郎のチャーミングなキャラクターに惹かれたと明かした。

すると、大阪在住の門井慶喜が客席にいることが明かされ、門井が登壇。門井は「寝屋川の狭い部屋でひとりで一生懸命書いた小説が、たくさんの方に読まれたおかげで素晴らしい映画になって本日を迎えることができました。感無量です」と挨拶。続けて門井は、「本作を2回鑑賞した」と言い、「自分の原作だということを忘れて、2回とも普通の観客として泣いてしまった」と映画を称賛。「素晴らしい映画を作っていただいてひたすら感謝しています」と感服の様子。

それを受けて役所は「原作者やモデルの方に会うのは役者としては怖いです(笑)」と前置きしながら、「試写の時に門井先生から「楽しみました」とおっしゃってくださって安心しました」とほっとした様子。監督は「門井先生が試写室から目を真っ赤にして出てきたのを見て「よし!」と思った」と監督も安心したようだった。重ねて監督は、「小説も面白いので読んでいただけたら。両方楽しんでもらえれば重層的に、よりこの物語の深みが伝わると思う」と原作小説もPR。

最後に、監督が「思い出深い大阪で観ていただけることが嬉しいです。2018年ぐらいからこの映画に取り組みましたが、その後にコロナやウクライナでの戦争があって。そんな中で家族と一緒にいられることがどれだけ素晴らしいことなのかをつくづく感じました。大切なものを大切にという思いが皆さんに届けばと思います」、役所が「ユーモアや笑いの部分を大切にして作ってきました。大阪の人は笑いについては非常に厳しいと思いますが、気楽に観てもらえたら嬉しいです。皆で頑張って作った映画です。ぜひたくさんの人に観てもらえたらと思います」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文/華崎陽子




(2023年4月11日更新)


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Movie Data



(C)2022「銀河鉄道の父」製作委員会

『銀河鉄道の父』

▼5月5日(金・祝)より、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて公開
出演:役所広司
菅田将暉 森七菜 豊田裕大
坂井真紀 / 田中泯
監督:成島出
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」
主題歌:いきものがかり「STAR」

【公式サイト】
https://ginga-movie.com/

【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/256762/index.html