結婚式前夜にマンホールに落ちてしまった男の
脱出劇をHey! Say! JUMPの中島裕翔主演で描く
完全オリジナルストーリー
中島裕翔と熊切和嘉監督が登壇した
映画『#マンホール』大阪舞台挨拶レポート

熊切和嘉監督がHey! Say! JUMPの中島裕翔主演で、結婚式前夜にマンホールに落ちてしまった男の脱出劇を描く完全オリジナルストーリー『#マンホール』が、TOHOシネマズ梅田ほか全国にて上映中。結婚式前夜の幸せの絶頂から、不運にもマンホールの底に落ちたエリートサラリーマンのピンチを描く。

『私の男』の熊切和嘉が監督を、『マスカレード・ホテル』シリーズの岡田道尚が原案・脚本を務めている。Hey! Say! JUMPの中島裕翔が主演を務め、極限状態に陥ったエリートサラリーマンが豹変していく様を体現し、奈緒、永山絢斗らがキーパーソンを演じています。そんな本作の公開を記念し、2月12日(日)、TOHOシネマズ梅田で、中島裕翔と熊切和嘉監督が上映前に登壇し舞台挨拶を行った。

マスクを付けての声援が解禁になったこともあり、ふたりが登場すると会場は大きな声援に包まれた。日本一の規模を誇る劇場で満席の中の舞台挨拶ということで、中島が「こんなにたくさんの方に観ていただけて嬉しい」、大阪芸術大学出身の熊切監督は「学生時代に憧れていた大きな劇場で自分の映画を公開してもらえることが嬉しい」と語り、舞台挨拶は始まった。

大阪と言えば思い出すことを聞かれると中島は「ひやしあめって知ってますか？」と会場に語りかけ、「ひやしあめが大好きなので、毎回、楽屋の冷蔵庫に入れてもらっています」と言い、「東京で見たことないので、ご当地のものだと思う」とコメントすると、会場はざわつき、全国区だと思っていた人が多いよう。すると中島は「ないないない」と否定し、「だからすごく新鮮で。しょうがとはちみつの甘い感じが喉にいい気がしていて。大阪公演の時は糖分補給として飲んでいます」と語った。

そして、ネタバレ厳禁となっている本作について中島は、「言えないことがいっぱいある」と前置きし、「伏線もたくさんあって、ネタバレできない。初めて観る方は、まずは身を委ねて、一緒にマンホールの中にいる閉塞感に包まれながら、主人公と苦しみながら観てほしい」と本作の魅力を熱弁。

続いて、マンホールの中というワンシュチエーションで物語が進むことについて中島は「ひとり芝居でワンシチュエーション。自分ひとりで画を持たせることができるか不安を感じていた」と言うと、監督は「そもそもこの企画は中島くんじゃないと成立しないので、すごく助けられた」と中島を称賛。

エリートサラリーマンがマンホールに落ち、どんどん本性が露わになっていくという役柄について中島は「普通の人の方がいいと思った」と言い、「主人公の持つ、人からよく見られたいという意識は、僕らアイドルが常日頃活動する時に必要な要素でもあるので、共通点を感じた」そうで、「普段仕事をしている時の自分のまま、マンホールに落ちて毒されて変わっていく方が面白いと思ったので、特に役作りはしていない」と普段の自分のままで作品に取り組んだと語っていた。

特に大変だったシーンを聞かれると中島は「泡のシーン」と即答。「撮る方もやる方も大変だった」と話すと、監督も「二度とやりたくない」と心境を吐露し、ふたりで苦笑いするシーンも。続けて中島は「泡で初めて怖いと感じると思う」と観客に語りかけ、監督も「誰もやったことがないから正解がわからない。結局、現場でやってみるしかないので、泡の中で1分ぐらい息をとめてもらったり、中島くんは苦労されたと思う」と中島を思いやっていた。

また、本作がシリーズ化になったら？と尋ねられると中島は一瞬、戸惑った後に「一瞬、嫌な顔はしましたが、続編があるなら面白そう」と意気込み、次はどんなところに落ちてみたいか聞かれると「側溝」と即答。会場から大きな笑い声が起きると「良かった。関西の人に笑ってもらえた」と喜び、「皆さん、優しい。甘えてます」と観客に感謝していた。

最後に、監督が「中島くんの表情が最初と最後で全然違う。この作品は彼の表情を楽しむ映画だと思います。最後まで存分に楽しんでいただけたら嬉しいです」、中島が「僕自身も自分の表情に驚きました。日本にはなかなかないタイプの映画なので、マニアックな映画が好きな人にも満足してもらえるはず。ぜひ、複数回観て伏線を探してほしいですし、ぜひ共犯者になってネタバレ厳禁を続けてほしい。協力よろしくお願いします」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2023年2月12日更新）