カミカミの阿部サダヲを上戸彩が優しくフォロー
池井戸潤原作映画『シャイロックの子供たち』
阿部サダヲ＆上戸彩らが登壇した
大阪舞台挨拶レポート

累計発行部数60万部を突破した池井戸潤による同名小説を『空飛ぶタイヤ』の本木克英監督が映画化した『シャイロックの子供たち』が、2月17日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。とある銀行の小さな支店で発生した現金紛失事件をきっかけに、小説ともドラマとも展開が異なる、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリーとして描かれる。

本木克英監督はじめ『空飛ぶタイヤ』のメインスタッフが再集結。主演には阿部サダヲを迎え、上戸彩、玉森裕太、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介と日本を代表する豪華キャスト陣の出演も話題となっている。そんな本作の公開を前に、1月13日(金)、大阪ステーションシティシネマで、阿部サダヲと上戸彩、本木克英監督が試写会の上映前に登壇し舞台挨拶を行った。

「7年ぶりの大阪」と言う上戸は「大阪の皆さんに会いに来られて嬉しいです」、監督は「皆さんは大変な倍率を勝ち抜いてこの試写会にいらっしゃったそうなので、皆さんの運をこの映画の大ヒットに繋げたいと思います」と挨拶。するとMCから250名の客席に対して3000名の応募があったことが明かされると大きな拍手が沸き起こっていた。

まずは初共演だという阿部に上戸の印象を尋ねてみると、阿部は「元々素敵な方なので。すごく綺麗で...」と言いながらもカミカミ。すかさず上戸から「カミカミじゃないですか。さっきの阿部サダヲです、さえ言えてなかったですよ。言いませんでしたけど」とツッコミが。阿部は「優しいですね。お芝居ではフォローしてくれますし、改めて素敵だなと」とべた褒め。上戸は「映画の中の阿部さんが甘噛みしているシーンが何か所かあるので見つけてください」と笑わせると阿部は「銀行員が全員、活舌いいわけじゃない」と開き直っていた。

一方、上戸は阿部について「いろんな役をされている姿を見ていたので、阿部さんが主演と聞いてすぐにやりたいですと言うぐらい楽しみにしていた」と言い、「現場でもブラックジョークも交えつつ朗らかにしてくださる大好きな役者さんでした」とこちらも絶賛。続けて、「またキャンペーンでお会いできるのも嬉しくて、いつラインを交換してくれるかドキドキしています」とラブコールを送られていた。

すると阿部はドキマギしながら「さっき、「過ぎるTV」の撮影で(上戸さんが)岡村さんと仲が良さそうで。僕も岡村さんと同い年なので。岡村さんとはお食事も一緒に行ったことがあるそうなので、ライバル心が出ました」と返していた。

そして、池井戸潤原作への出演が初めてだという阿部は「(池井戸さんの)小説を読むのも初めて」だったと言い、と言うのも「「半沢直樹」とかドラマを見ていて、熱い作品が多いので、僕は関わらないんじゃないかと思っていて。まさか僕に話が来るとは思っていなかったので、慌てて小説を読んだ」と語っていた。上戸も「(池井戸作品は)本当に熱い。気づいたら映画に没頭していて、自分も一緒に倍返しだって思えるような。終わる頃には、自分だったらどうするだろうかと考えてしまった」と作品の魅力を語っていた。

さらに、柄本明や橋爪功らベテラン俳優との共演について阿部は「改めてお芝居は面白いなと勉強になりました。台詞じゃないところで戦っているんですよね。劇団同士が戦っている(笑)。(柄本さんの)東京乾電池と(橋爪さんの) 演劇集団 円。さらに、(柳葉敏郎さんの)一世風靡セピア」と笑わせていた。

続いて、大阪をテーマにした2択クイズのコーナーになり、「大阪の観光名所と言えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンか通天閣か？」という質問に阿部が「USJですね。随分行ってないんです。ＥＴが名前呼んでくれるだけで嬉しかったのに」と言い、上戸が「ETなくなった」と明かすと阿部は残念がっていた。上戸も「私もUSJですね。大阪来たら寄りたいと思う。スパイダーマンの被り物をしてベッキーと遊びに行きました」と楽しそうに語っていた。

最後に阿部が「公開まで1か月ありますが、感想を聞くと笑えるという方や泣いたという方もいて。半沢直樹さんの作品...」と最後まで変わらずにカミ、気を取り直して「池井戸潤さんの作品は熱いイメージがありますが、観ている方も熱くなる人や手に汗握ったという方も多いです。お客さんが元気になって帰れる映画なんだと僕も嬉しく思っています。朝、浜村さんのラジオ番組に出させていただいたところ、「今年1番の映画だ」と言われました。このまま一番の映画でいられるように頑張りたいと思います」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2023年1月13日更新）