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「今回は“人間賛歌”を撮りたい」
『標的の村』の三上智恵監督 最新作
『戦場ぬ止み』が、いよいよ公開に

 前作、地元テレビ局(琉球朝日放送)発のドキュメンタリー映画『標的の村』で熱い支持を受けた三上智恵監督が2年ぶりに放つ最新作『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』の先行上映会が先日実施され、三上監督がトークイベントを行った。
 
 『標的の村』(2013)は、新型輸送機オスプレイが配備されることになった沖縄県東村・高江の村の人々の姿を捉えた作品で、もともとはテレビで放送されたものだった。そこから映画化されたことにより、今も様々な場所で上映会が続き、この2年の間でなんと全国550ヶ所以上で上映されている。三上監督はそのいろいろな場所で積極的に講演会を行いながら、テレビの視聴者と映画の観客の大きな違いを感じているという。「テレビで良い反響があったとしても、それはそのときだけのこと。でも映画は観てくださった方がその作品を好きになると、その観客のモノになる。自らの問題にしてくれているんですよね。映像が一人歩きしていくのを本当に感じました」
 

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 「1年前はまた映画を作るなんてまったく考えていなかった」という三上監督を後押ししたのも『標的の村』の観客たちの力だった。「『標的の村』をご覧になった方々から「次も作って」という声がたくさん寄せられて、しかも「是非このお金で」ってお金まで集まってしまったんです。金額がどうということではなく、そのみなさんの真剣な目に触れて意欲が沸きました」とその当時の心境を明かした。
 
 最新作『戦場ぬ止み』は、沖縄県・辺野古で進められている米軍新基地建設を巡る市民の衝突や想いを捉えたドキュメンタリー。県民同士が争う一方で、苦難の歴史の中でも大切に育まれてきた豊かな文化や暮しを映し出し、いくさに翻弄され続けた70年に終止符を打ちたいという沖縄の切なる願いを世界に問いかけていく。
 

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三上監督は「前作『標的の村』は絶望して泣きながら作ったものだったので、今でも上映会で観る度にわたし自身泣いてしまうんです。でも今回は“人間賛歌”を撮りたいと思って。わたしは辺野古が大好きなんです。反対運動の現場としてではなく集落としての辺野古が。出ているすべての人が傷つかないで、5年、10年経っても観られる映画にしたいという壮大な理想のもと作りました。辺野古にいる人たちのプライドを守りたいし、みなさんが誇り高く生きようとしていることを(この映画で)知ってもらいたい」と語った。映画『戦場ぬ止み』は、7月18日(土)より第七藝術劇場、7月25日(土)より神戸アートビレッジセンター、8月15日(土)より京都シネマにて公開される。



(2015年7月15日更新)


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Movie Data


©2015『戦場ぬ止み』製作委員会

『戦場ぬ止み』

●7月18日(土)より第七藝術劇場
 7月25日(土)より神戸アートビレッジセンター
 8月15日(土)より京都シネマ  にて公開

【公式サイト】
http://ikusaba.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/167712/

Event Data

トークショー開催!

日時:7月19日(日) 12:10の回/14:45の回
会場:第七藝術劇場
ゲスト:三上智恵 監督(予定)
料金:通常料金
   ※当日本作ご鑑賞の方のみ対象