今は亡き、
「アンディ・フグとマイク・ベルナルドに導かれた」
命を扱った大きなテーマの中で人の繋がりを描く
ミステリアスなヒューマンドラマ『迷宮カフェ』に
出演する角田信朗さんから動画コメントが到着!
人里離れた田舎にあるカフェを舞台に人と人の繋がりを描くミステリアスなヒューマンドラマ『迷宮カフェ』が、3月14日(土)よりテアトル梅田にて公開される。 本作は、骨髄移植や自殺といった重い題材を扱いながらもサスペンスとユーモアを交えて、カフェの女主人、週刊誌の記者、3人の常連客が織りなす人間模様と、訪問客が謎の失踪を遂げるというカフェの秘密が語られていく。そこで、映画に笑いを生むキーマンとして本作に出演する角田信朗に少し話を訊いた。
本作が命を扱った大きなテーマについて描く映画だと知った段階で、脚本を読む前に出演を決めたという角田さん。「K-1でずっと一緒に戦ってきたアンディ・フグが白血病で亡くなり、96年のK-1グランプリ決勝でアンディと戦ったマイク・ベルナルドは自殺してしまった…。ふたりに連れてこられたような、仕事を超えたメッセージみたいなものを感じ、背筋がゾクッとしたんです」と、運命的なものを感じた、その出演の経緯を明かす。
「食堂の大将や武将など、今までは僕の“素”を要求される役がほとんど。でも、今回は初めて本当の意味での演技が必要な役で。本当に難しい課題に直面したお仕事でした」 今までも様々な映画やドラマなどに出演し、その存在感を披露してきた角田さんが今回演じたのは、自分の肉体の衰えに絶望し自殺を考えている気弱なボディビルダー。「空手やボディビルなど個人競技は、どんどん追求してはまり過ぎてしまう人もいる。ナルシズムの究極みたいなところで、健康のためなら死んでもいいみたいな感じがあるんです。酒におぼれるとかギャンブルに走るのではなく死を選ぶというのは心の病。どこから見ても自殺とは程遠い見た目なのに死を選ぶというのは、どんなメンタリティでどう表現すればいいのか。自殺してしまったベルナルドも内面の弱さを試合の端々で感じることがあったなぁとかいろいろ考えながら演技をしました」と、試行錯誤した役作りについて振り返った。
また「この映画はいわゆる難病ものとは違って、骨髄を提供する側から見た映画。患者さんの血を放射線で全部殺してから自分の骨髄を患者さんに入れることでその人の血液がまるまる全部変わってその人の命が助かる。自殺を考えた人たちがドナーバンクを知ることで生き方が変わっていく。そこに深いテーマがある。僕はここがとくに面白いなと思います」と見どころを解説。「人気俳優が大勢出てくるような派手な映画ではないし、テーマが重いと感じる方もいるでしょう。でも、医学の教材映画みたいなものではなく、骨髄移植のことなんてまったく興味のない人たちにも響く映画にしたいと思って制作に入りました。僕も2週間で7キロ減量して、ものすごく真剣に取り組んだ映画です。是非ご注目ください」とPRした。
(2015年3月14日更新)
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