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今もっとも旬なふたり、森川葵×菅田将暉が共演!
ほろ苦い青春と、映画に救われた日々を描く
青春ロードムービー『チョコリエッタ』が公開に

 『火星のカノン』、『せかいのおわり』の風間志織監督が、今もっとも注目を集めている俳優、森川葵&菅田将暉を主役に迎え、大島真寿美の同名青春小説を映画化した『チョコリエッタ』が、1月31日(土)よりテアトル梅田にて公開される。居場所が見つからず犬になりたいと願う少女と風変わりな先輩の不思議な旅をファンタスティックかつシュールに描いた青春ロードムービーだ。そこで、風間志織監督に少し話を訊いた。

 

 まず、ヒロイン知世子役の森川葵が思い切った坊主頭を披露していることについて。風間監督は「(森川は)オーディションでも、『一回坊主にしてみたかったんですよね』と、全く気負いがなかった。森川さんが演じる知世子が面白いので、そこから映画ができてきたような感じです」と、森川の持つ独特の雰囲気が、知世子のもつ空気感や青春のいらだちとマッチしていたことを明かした。その一方で、知世子が在籍する映画研究会の先輩で、知世子にカメラを向け続ける正宗を、受け身の芝居に徹し演じた菅田将暉については「正宗は、原作どおり結構文語的な言葉を話すけど、菅田くんだから違和感なく自然に演じてもらえた。自分が違うと思えば『僕は違うと思う』とはっきり言ってくれる俳優なので、やりとりしていて楽しかった」と話している。

 

 また本作は、今年で製作60周年を迎えるイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニ監督作品『道』の要素が随所に盛り込まれているのも、非常に印象的だ。タイトルや愛犬の名前をはじめ、ふたりが一緒に『道』のビデオを観るシーンや、旅の途中で『道』の主人公ジェルソミーナとザンパノに扮して“『道』ごっこ”をするシーンもある。それらの場面はどこかファンタスティックで、映画ファンならずとも楽しめるはずだ。「“『道』にオマージュを捧げる作品”とよく言われますが、個人的にはおこがましいと思っています。ただ、原作にもあるとおり『チョコリエッタ』に『道』は絶対的に必要。本物の映像が使用できないので、『道』を鑑賞しているシーンは合成ではなく、一から作り込みました。きちんと作らないとフェリーニに申し訳ないし、名作だからこそ遊んでいいのではないかと思い、まじめに遊びました」と笑顔を見せた。

 

 しかし、そんなファンタスティックな映像の中にも折に触れて感じるのは、放射能の陰。あえて時代設定を2021年の近未来にしたところに、風間監督の隠された狙いがある。「福島とは限定していないけれど、放射能のイメージをちりばめています。近未来の設定にしたのも“どこでもありうる”という意味を込めたから。今はどれだけ不安があっても、何も言わずに暮らしている人が多いので、あえて視覚的に感じさせる表現をしたかった」とコメントした。

 

 森川葵と菅田将暉が織りなす、瑞々しい“人生のまわり道”を楽しみながら、リアルになるかもしれない近未来を覗いてみてほしい。

 

(取材・文/江口由美)




(2015年1月27日更新)


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Movie Data


©寿々福堂/アン・エンタテインメント

『チョコリエッタ』

●1月31日(土)より、テアトル梅田
 3月14日(土)より、元町映画館
 順次、京都シネマにて公開予定

監督:風間志織
出演:森川葵/菅田将暉
   市川実和子/村上淳/須藤温子
   渋川清彦/宮川一朗太/中村敦夫

【公式サイト】
http://www.suzufukudo.com/chokolietta/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/166421/

【STORY】

5歳で母を亡くし愛犬ジュリエッタと育った知世子は、ジュリエッタの死から生きる理由を見失ってしまう。ある日、母が好きだったフェリーニの『道』のビデオテープを持っている正宗先輩と再会。知世子に興味を示した正宗は知世子を被写体に映画を撮り始める。