吉永小百合と共演した笑福亭鶴瓶に
タモリが焼きもち!?
『ふしぎな岬の物語』
吉永小百合＆笑福亭鶴瓶＆成島出監督が
来場したイベントレポート

　千葉県に実在する喫茶店をモチーフにした森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を吉永小百合主演で映画化した『ふしぎな岬の物語』が、10月11日(土)より梅田ブルク７ほかにて公開される。岬に立つ小さなカフェを舞台に、そこに集う人々の温かくも切ない人間模様が描かれる。主演のみならず初めてプロデューサー業に挑戦した吉永小百合がカフェ店主に扮し、笑福亭鶴瓶、阿部寛、竹内結子ら実力派俳優が脇を固め、『八日目の蝉』の成島出が監督を務めている。本作の公開にあたり、吉永小百合、笑福亭鶴瓶、成島出監督が来阪し、公開記念イベントを行った。

　『ふしぎな岬の物語』公開記念「吉永小百合と至福のひととき」と題された本イベントは、前売り券を購入した方の中から、20倍の倍率を勝ち抜いた幸運な方100名の方を招いて行われた。それだけに、カフェの店主らしくエプロンを身につけた吉永が登場すると、会場からは割れんばかりの拍手が。そんな中、まずは、吉永がコーヒーのお点前を披露。慣れた手つきでコーヒーを入れる姿を皆が見守る中、笑福亭鶴瓶がサプライズゲストとして登場し、吉永がコーヒーを淹れる姿を見守りながら、軽妙なトークを展開。吉永と共演したことで、「今回、モントリオール映画祭で2冠を受賞して、タモリさんから電話がかかってきたんですが、「おめでとう」の一言で切られた。それから話してないんです。(サユリストとして知られる)タモリさんは本当に焼きもちやいてるんですよ」とタモリの裏話を披露。会場からは驚きの声と笑いが起こっていた。そして、吉永の淹れたコーヒーを試飲すると、「美味しい。本当に美味しいですよ」と絶賛。そこで抽選によって、観客の方1名にも味わってもらうことに。幸運にも選ばれた方は、吉永の熱烈なファンだったうえ、名前も本作で吉永が演じた“えつこさん”と同じ名前だそうで、吉永も驚きの表情を浮かべていた。

　そして、質疑応答では、吉永に先ほどのコーヒーのお点前披露の感想について質問が。吉永は、「私はデビュー作でウェイトレス役を演じまして、コーヒーをお渡しするシーンがあったのですが、手が震えてソーサーにコーヒーをこぼしてしまったのを思い出しました。でも、今日はこぼすことなく、落ち着いてできました(笑)」とデビュー作の思い出を交えて語った。また、吉永の淹れるコーヒーについて笑福亭鶴瓶は、「もちろん美味しかったです。千葉県の岬で撮影していたので、すごく寒かったから特に美味しかったです」と称賛。そして成島監督は、「吉永さんの腕前がどんどん上達していくので、感心しながら見ていました。もちろん今日も完璧でした(笑)」と絶賛していた。

　また、本作で初めて務めたプロデューサー業について質問が及ぶと吉永は、「スタッフの役割がこんなに大変だとは思いませんでした。監督にも随分ご迷惑をかけてしまったと思います」と恐縮。一方で成島監督は、「完璧なプロデューサーでした。原作を選ぶところから一緒だったので、吉永さんはたくさんアイデアを出してくださいました。でも、なによりも撮影中も劇中のカフェの店主・悦子さんのような存在だったので、撮影スタッフが皆、口を揃えて「こんなに気持ちのいい現場は初めて」だと言っていました、それが観てくださるお客様にも伝わると思います」と、またまた絶賛していた。

　イベントの最後には、100人の観客の方全員にコーヒーが用意され、劇中同様、吉永が「おいしくなあれ」とおまじないをかけると、会場は拍手喝采。そんな吉永の姿に、「吉永さんは現場でも映画の中の悦子さんみたいでした」と、笑福亭鶴瓶や成島監督が口を揃えて絶賛。イベント中も吉永ならではの和やかな雰囲気に皆が癒されていたようだった。劇中でも、吉永演じる悦子に皆が励まされ、いつしか元気を取り戻していく様が温かく描かれ、そんな登場人物の姿に元気づけられる方も多いはず。少し肌寒く感じるこの季節にぴったりの作品になるだろう。

（2014年10月10日更新）