原作:桜庭一樹×監督:熊切和嘉が禁断の愛を描く
濃密で美しい衝撃作『私の男』が、いよいよ公開!
主演の浅野忠信&二階堂ふみが出席した会見レポート
2008年の直木賞に輝いた桜庭一樹の同名小説を『海炭市叙景』『夏の終り』の熊切和嘉監督が映画化した『私の男』が、6月14日(土)より大阪ステーションシティシネマほかにて公開される。災害で家族を失った少女・花と彼女を養女として引き取った遠縁の親戚・淳悟が互いを求め合い、禁断の愛を育んでいくさまを濃密に描き出していく。公開を前に淳悟役の浅野忠信と花役の二階堂ふみが来阪し、会見を行った。

20代で癖のある役を数多く演じ、日本のミニシアターブームを牽引。30代でハリウッドにも進出し、今では日本を代表する俳優となった浅野は、今回の淳悟という役について「初めて脚本を読んだときに今の自分ならこの役をできると思った」と当時を振り返り、その理由について「いろんな役を演じさせてもらえるようになって、もう一度若いころに演じたような役を追求してみたかったんです。淳悟という役は僕にとって“やるしかない”と思えるものでした。40歳にして自身が望む役に思いを存分にぶつけることができ、感謝しています」と話した。

今後も話題作への出演が相次ぎ、今一番注目されている実力派若手女優・二階堂は「原作の持つ薄暗いジメっとした世界観がとても好きで、今回はその雰囲気を壊さずに映画でしかできない表現をしたいと思っていました。それを熊切監督含めみなさんが形にしてくださいました。この作品の耽美的な世界観がわたしは好きです」と自信たっぷり。今回演じた花という役については「成長していくにつれて、感じるものが変わったり、好きなものが変わったりするのは皆が経験する部分なので、花のことを普通の女の子と捉えて演じました。撮影現場大好きなので、今後も面白いと思える現場に行けるなら、どういう役柄かは気にせずに演じていきたいです。今年で20歳を迎えますが、意外と学生の役が少ないので、自転車にふたり乗りをするような淡い青春物語もやりたいです」と笑顔を見せた。

そんな二階堂演じる花を浅野は「撮影中でなくとも淳悟としての気持ちを保ちながら、二階堂さんと接していました。そういう接し方が重要だったのだと思います。花役が二階堂さんでなければ、僕もあそこまで淳悟を演じきれなかったと思います。花が成長していく姿をじっくり観てほしいです」と、二階堂を絶賛した。それを受け、二階堂も「私にも浅野さんが演じる淳悟という存在がいなければ出せなかった感情がありました。ふたりの愛の形を観ていただけたらと思います」と語り、ふたりの相性の良さを覗かせた。

また、熊切監督について浅野は「(現場には)監督の学生時代からの仲間もたくさんいらしたので、コミュニケーションがよくとれていて、その点ではすごく助けていただきました。監督には仲間内だけではない場所にもどんどん出て行っていただきたいなと思います。機会があればまた一緒にやらせていただきたいですね」とコメント。熊切監督とは高校1年生のときに会い、「直感的に、この監督と絶対に仕事をしなくてはいけないと思っていた」という二階堂は「ずっと想い続けていた監督の現場でしたので、撮影中は本当に幸せに浸って現場で過ごしていました。熊切監督には、この監督のためならと思わせる魅力があるとわたしは思っています。今まで出会った監督の中で感覚が一番合う気がします」と明かした。
最後に「僕自身もまた観たいと感じている作品ですし、何度も観ていただけると本当にうれしい」(浅野)、「私の運命の作品で、勝負作品でもあると思っています。スクリーンで観ることに意味がある作品です。映画ファンだけでなく色々な方に観ていただけるとうれしいです」とPRし、締めくくった。
(2014年6月 6日更新)
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