小柴風花、尾野真千子、清水崇監督、
そして原作者・角野栄子も登壇した
『魔女の宅急便』舞台あいさつレポート
不朽の名作にしてロングセラーを記録し続ける世界的児童書を清水崇監督が実写映画化した『魔女の宅急便』が3月1日(土)より、梅田ブルク7ほかにて公開される。公開を前に行われた試写会では、オーディションで主人公キキ役に抜擢された新人女優の小柴風花、キキをあたたかく見守るパン屋のおかみさんでキキにとって第二の母的存在であるおソノ役の尾野真千子、本作のメガホンを取った清水崇監督、そして原作者・角野栄子が登壇し、舞台挨拶を行った。
「魔女の宅急便」と言えば、日本を代表する童話・絵本作家の角野栄子が1985年に発表し、国内にとどまらず、アジアやヨーロッパなどでも翻訳版が刊行、児童文学の世界的スタンダードとして今もなお愛され続けているた児童書。1989年に宮崎駿監督によりアニメーション映画化されたことでファンは増え続け、幅広い世代から愛される国民的知名度と人気を獲得した作品だ。
原作について角野は「もしかすると(宮崎駿監督のアニメーション映画は知っていても)原作の存在を知らない方もおられるかもしれませんが、原作があるんです。文章を書いているときはひとりひとり人間を思い浮かべて書きました。わたしの心の中で考えていたのは絵ではなく実態のある人間。原作と同じように本当の人間が演ずる映画が出来て本当に嬉しく思う」と歓喜の思いを語り、「ちょびっとだけわたしも出演していますので良かったらみつけてほしい!」と付け加えた。
大阪出身だという小柴は「関西弁の話し声を聞くだけで安心する。地元のみなさんに観ていただけるのがめっちゃ嬉しいです」と第一声から上機嫌! キキというあまりにも有名な役を演じたことについては「わたしの中でもイメージがありました」というが「でも監督に「小柴のままでいい」と言われ、自分のままでいれるように意識して演じました」とハキハキと元気に語った。演技の上では、ほうきに乗って飛ぶシーンがやはり難しかったらしく、クレーンで吊られての撮影はバランスが取れないとその場でくるくると回ってしまうこともあったとか。しかし、小柴は以前フィギュアスケートを習っていた経験があり「フィギュアも軸がしっかりしていないとジャンプがぶれてしまう。今回のほうきも同じでした。フィギュアを習ってて良かったなと改めて思いました」と、映画を観ただけでは分からない裏話を語ってくれた。
『呪怨』等、ホラー映画を数多く手がけてきた清水監督は、最初に依頼されたときのことを「どうして僕にオファーするんだろうと思った。何で清水に? とみなさんも思ってらっしゃると思います」と苦笑いしながら振り返り、「でも実はファンタジーも好き。今回やっと自分のフィールドに来れた気がします」と照れながら語った。それを受けて原作者の角野も“ホラー”と“ファンタジー”は近いものと話し「(監督について)全く心配しておりませんでしたよ」と語りかけ、清水監督も安堵の表情を浮かべた。
尾野は、この映画に関わったことで、「子どものころ空を飛びたいと願った夢を思い出した」と明かし、「この映画でみなさんも昔の夢を思い出していただけたらいいなと思います」とコメント。
最後に清水監督は「最初は無謀な企画だと思いましたが、精一杯取り組みました。角野先生がこの原作を書き出したとき、僕は10歳。1巻が出たとき、キキと同じ13歳でした。今回実写映画の監督を務めさせていただいて光栄に思っています。新しい『魔女の宅急便』を楽しんでもらえれば」とPRし、締めくくった。
(2014年2月26日更新)
Check