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主演のホワン・ユィシアンによるピアノ生演奏も
台湾青春映画『光にふれる』特別試写会レポート

 台北映画祭で最優秀短編賞を受賞したチャン・ロンジーによる短編映画『ジ・エンド・オブ・ザ・トンネル(黒天)』(08)に、『グランド・マスター』の鬼才ウォン・カーウァイが惚れこんだことから長編化がなされた青春ドラマ『光にふれる』が、2月8日(土)よりシネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほかにて公開に。
 
 本作は、トラウマを抱えた目の不自由な若きピアニスト、ユィシアンの精神的な成長を描き、眩い光に満ちた映像美と繊細なメロディの融合も美しい感動作。先月、公開を前に主演のホワン・ユィシアンが来日し、特別試写会の上映後に舞台挨拶、そしてピアノの生演奏を披露した。
 

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 会場へニコニコと笑顔で登場したホワン・ユィシアンは「主演映画を日本の方にも見て頂けて嬉しい。気に入って頂けたらとても光栄です」と挨拶。たった今、映画を観て感動と興奮が冷めやらぬ観客は、自然と笑顔になり、優しく温かい空気が会場を包みこんだ。現在はプロのピアニストとして活躍しているホワン・ユィシアンの実話を基に描かれた本作にて、彼は自分自身を演じている。「この映画は、僕の人生を基にしていますが、かなりの部分がフィクションで“演じる”ことが求められました。例えば、母親役のリー・リエさんとのシーンは、もちろん本当の母親ではないのでとても緊張しました。初めての経験で難しいこともありましたが、収穫したこともたくさんあり、良い経験となりました」と振り返った。
 
 映画は主人公ユィシアンが親元を離れ、戸惑いや不安を感じながらも自立していくエピソード以外にも様々な角度から若者に向けた“夢をあきらめない大切さ”を描いている。「人間の一生は絶えず学ぶことだと思う。だから、これからもずっと学んでいきたい。音楽の道をつき進んで、たくさん知識も蓄え、いい音楽を創り上げていきたい。いい作品が生まれたら、それを多くの方に聞いていただきたい」と自身の夢を語った。
 
 音楽で被災地の皆さんを激励できればという思いで、昨年12月には東北でチャリティコンサートを行ったというホワン・ユィシアン。「東北地方はとても風景の美しい所だったと聞きました。それが地震によって破壊された。復興が順調に進むこと、みなさんが自信を取り戻すこと、そしてもう一度美しい故郷を築きあげていただくことを心より願っています」とコメントした。
 
 その後、行われたピアノ演奏では、映画『光にふれる』の曲を組み合わせた「光にふれる組曲」と、当日が阪神淡路大震災が発生した1月17日だったこともあり、選曲したという「上を向いて歩こう」の2曲を披露。感動で涙を流しながら、その音色に酔いしれた人も多く、鼻をすする音が聞こえることも。また、演奏後はその感動と感激、素晴らしい演奏を披露してくれた彼への感謝を伝えるためか、大きな大きな拍手が鳴り響いた。
 
 本作は目の不自由なピアニストの成長物語という1面だけではなく、彼の周囲をとりまく友人や母らとの心の交流、若者の夢と希望をみずみずしく爽やかに描いた青春映画という面もあり、幅広い世代から支持され本国で大ヒット、数々の賞を受賞している。日本でも多くの人に心からおススメしたい1作だ。



(2014年2月 5日更新)


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Movie Data


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『光にふれる』

●2014年2月8日(土)より、
 シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、
 京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほかにて公開

【公式サイト】
http://hikari-fureru.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/163704/