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ホーム > NEWS > ドキュメンタリー映画界の中心的人物として 活躍した故・佐藤真監督の特集上映が京都で 《佐藤真監督特集2013  ドキュメンタリーがはじまるところ》開催!

ドキュメンタリー映画界の中心的人物として
活躍した故・佐藤真監督の特集上映が京都で
《佐藤真監督特集2013
 ドキュメンタリーがはじまるところ》開催!

 ドキュメンタリー映画が劇場で公開されることがなかった時代に異例の国内ロードショー公開され、90年代以降のドキュメンタリー映画界で中心的人物として活躍した故・佐藤真監督の特集上映が12月7日(土)~13日(金)元・立誠小学校特設シアターにて行われ、代表作8作品が一挙上映される。
 
 初監督作品『阿賀に生きる』(92)では、「ドキュメンタリーとは世界を批判的に受け止めるための映像表現である」という一貫した考えの下、新潟水俣病が発生した阿賀野川流域に住まう人々をユーモラスに描き、世界各国の映画祭で数々の評価と受賞に輝き、その他にもテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍した佐藤真監督。
 
 本特集上映の主催者は「映画製作、映画論の執筆、映画作家を志す後進の指導等の様々な形で映画と関わることで能動的に社会と関わり合って生きるとはどういうことかを問い続けた佐藤真監督の一連の作品とこれからを担う世代である私たちが向き合うことで新たな未来を展望するかを考える機会とするために企画した」と話す。
 
 フィルム上映の機会の減少、2011年3月11日に発生した原発事故といったことを背景に『阿賀に生きる』がニュープリントとなって、昨年より全国でリバイバル上映が行われている流れから、“佐藤真監督の存在”を新たな世代がどのようにして受け止めていくかが今問われていると言えるだろう。
 
 『阿賀に生きる』『阿賀の記憶』『SELF AND OTHERS』を16mmフィルムで(『阿賀に生きる』『阿賀の記憶』はニュープリント)、『テレビに挑戦した男・牛山純一』(未ソフト化)を京都初上映する本特集は、劇場で観られる機会があまりなかった『おてんとうさまがほしい』を上映するなど、貴重な機会となっている。また、佐藤真監督と関わりの深い様々なゲストによるトークなども実施。ドキュメンタリー映画が湛える魅力と底力を、今、混迷急を告げるこの時代だからこそ是非ご注目いただきたい。
 
上映スケジュール
12/7 (土)

13:00『阿賀に生きる』
ゲスト:小林茂(「阿賀に生きる」「阿賀の記憶」撮影」)
    旗野秀人(「阿賀に生きる」製作発起人)

16:00『阿賀の記憶』
ゲスト:小林茂、旗野秀人、秦岳志(「花子」「阿賀の記憶」「エドワード・サイード OUT OF PLACE」「テレビに挑戦した男・牛山純一」編集)
18:00『おてんとうさまがほしい』

12/8 (日)
12:30『阿賀に生きる』
14:50『阿賀の記憶』
16:00『SELF AND OTHERS』
17:10『テレビに挑戦した男 牛山純一』
ゲスト:畠山容平(『テレビに挑戦した男・牛山純一』監督)
12/9 (月) 15:00『まひるのほし』
16:50『花子』

ゲスト:今村知左(「花子」出演)
12/10(火) 15:00『阿賀に生きる』
17:20『阿賀の記憶』
12/11(水)

15:00『エドワード・サイードOUT OF PLACE』
17:30『SELF AND OTHERS』

ゲスト:北小路隆志(映画批評家・京都造形芸術大学映画学科准教授)

12/12(木)

15:00『花子』
16:25『まひるのほし』

ゲスト:はたよしこ(「まひるのほし」撮影協力)

12/13(金)

15:00『エドワード・サイードOUT OF PLACE』
17:30『テレビに挑戦した男 牛山純一』

ゲスト:藤本美津子(『テレビに挑戦した男・牛山純一』プロデューサー)

 




(2013年12月 4日更新)


Check
『SELF AND OTHERS』 ©牛腸茂雄 写真集『幼年の時間』より
『阿賀に生きる』 ©「阿賀に生きる」製作委員会

Event Data

《佐藤真監督特集2013
 ドキュメンタリーがはじまるところ》

●12月7日(土)~13日(金)、元・立誠小学校特設シアターにて公開

【元・立誠小学校特設シアターHP】
http://risseicinema.com/movies/1852

http://risseicinema.com/archives/2523


Profile

佐藤 真 監督

さとう・まこと●1957年、青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。1981年、『無辜なる海』(監督=香取直孝)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家で住み込みながら撮影を始め、1992年、『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞、など国内外で高い評価を受ける。以降、『まひるのほし』(1998)、『SELF AND OTHERS』(2000)、『花子』(2001)、『阿賀の記憶』(2004)、『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(2005)を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。