ホーム > NEWS > タブーに挑む衝撃のドキュメンタリー 『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』、 梅田ブルク7で12/21(土)より、1週間限定公開!
2004年イラクで起きた日本人人質事件の人質となった高遠菜穂子さんと今井紀明さんのその後を追うと同時に、未だ戦火が止まず、先天性異常児が生まれ続けるイラン、ファルージャの今を映しだした衝撃のドキュメンタリー『ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして』が梅田ブルク7で12月21日(土)より、1週間限定公開される。本作は業界で若手クリエーターの育成に取り組む「ATP(一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟)若手映画プロジェクト」の第一作として誕生した。「テレビが自主規制で表現が小さくなってしまっている中、映画というメディアでテレビとは違うことをやりたい」という想いの中、企画応募者の中から満場一致で選ばれたのが、AD経験2年で本作が初監督作となる伊藤めぐみさんだ。
伊藤監督が高校時代に衝撃を受けたという2004年イラクで起きた日本人人質事件。事件から10年経った今、高遠さんは事故後のPTSDを乗り越え、事故時と同様個人でイラクの先天性異常児を支援する活動を行っている。一方、今井さんは2004年当時劣化ウラン弾反対のNPO活動を行っていたが、現在はひきこもり経験のある通信制高校の若者を支援するためのNPO法人を立ち上げ、国内で活動している。伊藤監督によると、一番最初にヨルダンまで高遠さんに会いに行ったときはすぐ撮影許可をいただけなかったものの「本当に私とイラクに行くなら」と、今のイラクをちゃんと見て欲しいという願いも込めて出演を決断してくださったそうだ。また今井さんも現在イラクに関わる活動をしていない等撮影に関して随分と悩まれたそうだが、「自分のことを振り返ることで、今の仕事に活かせたら」と本作出演を決断してくださったという。
事件が起こった当時、高遠さん、今井さんを含む3人の人質になった日本人に対して日本国内で猛烈なバッシングが吹き荒れ、その嫌がらせが彼らの家族にまで及んだという事実。また、伊藤監督が高遠さんとイラクの病院に訪れたときに取材した先天性異常児の赤ちゃんの痛ましくも短い命を一生けんめい生きようとする姿。どれも今では報じられることのない真の姿だ。04年以降劇的に増えたという先天性異常児だけでなく、ファルージャ地区では流産続きで子どもを産めない夫婦が増加しているという。11年にアメリカがイラクから完全撤退した後も、いまだに戦乱によるけが人が病院へ運び込まれてくる。戦争が決して終わっていないことを目の当たりにするだろう。
事件から10年、当時叫ばれた「自己責任」とは一体何だったのか。伊藤監督は「日本人人質事件に批判的だった人たちや、同世代(20代)の人に観てほしい」と語っている。人をみつめ、世界をみつめ、そして自らが過ごしてきたこの10年をも振り返る機会を与えてくれる真摯なドキュメンタリー。通常のメディアではなかなか見ることのできない真のイラクの姿がそこにある。
(2013年12月14日更新)
●12月21日(土)~27日(金)、梅田ブルク7にて1週間限定公開
【公式サイト】
http://www.fallujah-movie.com/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/163713/