「原田芳雄の写真を空にかざし――」
佐藤浩市、森山未來、阪本順治監督が参加した
『人類資金』イベントレポート
『亡国のイージス』の福井晴敏と阪本順治監督が再びタッグを組んでおくるサスペンス超大作『人類資金』(10月19日(土)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開)のヒット祈願イベントが北浜にある大阪証券取引所にて行われ、主演の佐藤浩市、重要な役どころで出演する森山未來、そして阪本順治監督が出席した。
第二次世界大戦中に、日本軍がアジア全域から集め隠匿したとされる“M資金”を巡る国際的なマネーゲームをスリリングに描く本作だが、“経済”について阪本監督は「最初は僕も福井(晴敏)さんも「トピックスやダウ平均株価って何?」というレベル」で無知だったと話し、続けて「“初めての人にもわかる経済用語”という本を読んで勉強し(森山)未來にもすすめた」とコメント。その“経済入門書”を借りて勉強したという森山も「宵越しの金は持たないような生活をしてるので」と苦笑い。佐藤は「我々みたいな商売(役者)が蓄財に長けるというのはどうなんだという三國(連太郞)の背中を見てきましたので。今なんとかやれてるのは女房が切り盛りしてくれているおかげです」と亡き父の話を交えて語り、3人とも無頓着だと明かした。
本作は映画化を前提に作家の福井晴敏が原作小説と脚本を同時に執筆したという少し珍しい作品。それに関して阪本監督は「この映画は原作が売れて映画化するのではなく、ゼロから企画を立てた最近では稀有な例だと思う。構想7年。“人類”はあったが“資金”がなかった…(笑)。でも、今一番ホットなニュースは経済だと思うし、東京オリンピックに向け、次のバブルが来るか? というときに公開できるのはベストタイミングだし、意味があると思う」と胸をはった。
ロシアのハバロフスク、タイのカンチャナブリ、アメリカのニューヨーク、そして日本で撮影された大作だが、最初は「僕らの本気度を示すため、1年半かけて国連に交渉して去年の5月~夏までの間の撮影許可をもらった。そのタイミングでは資金がなかったが、見切り発車で(森山)未來をひとり連れて国連で撮影。そこで終わっていたら『国連』という短編映画ができあがっていた(笑)」と苦労話をし、記者を笑わせた。また、その時期は前作『北のカナリアたち』の撮影期間の合間だったということもあり、両作に出演している森山は「その2作以外に舞台もあり、本当にてんやわんやだった」と振り返った。佐藤は「冬のハバロフスクからタイに移動して、気温差は60度あった。しかしハードでタイトな撮影になることは分かっていたので覚悟はできていた」と話した。天候不順などのための予備日もないタイトなスケジュールで行った撮影だったとのことだが、阪本監督は「新世界周辺だけで撮った『どついたるねん』(89)と同じ撮影日数の32日間で今回は世界中を回った(笑)。原点帰りです。格安チケットの飛行機だから1日も撮影を延ばせなかった」と語り、そして「僕はいつも原田芳雄さんの写真を持っているんですが、それを空にかざしたら晴れるんです。これ本当なんです! そのうち撮影助手が「監督、そろそろ芳雄さんお願いします」なんて言ってました(笑)。奇跡や偶然性など“映画の神様”を味方にしないと撮りきれなかったと思います」と感慨深げに話した。最後に阪本監督は「見たことのないような斬新な映画が出来たと思っています。ビリケン効果でいい正月を迎えたい」とPRした。
舞台挨拶情報
日程:10月26日(土)
会場・時間:①MOVIX堺 11:00の回上映前
②大阪ステーションシティシネマ 12:30の回上映前
③MOVIXあまがさき 11:10の回上映後
④なんばパークスシネマ 12:50の回上映後
⑤MOVIX京都 14:50の回上映後
料金:一般1800円/大学生1500円/高校生1000円
中学・小学・幼児(3歳以上)・シニア(60歳以上)1000円
※特別興行につき、各種招待券・株主優待券は使用不可
(鑑賞スコア券等もご使用頂けません)。
※劇場窓口のみ前売り券使用可。
登壇者(予定):佐藤浩市、阪本順治監督
お問合せ:各劇場にお問合せください。チケットぴあでの取り扱いなし。
(2013年10月18日更新)
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