NEWS

ホーム > NEWS > 「撮っても撮ってもOKが出ない。 内村さんはコントに関して求める モノの大きさがすごかった。」(伊藤) 『ボクたちの交換日記』舞台挨拶レポート

「撮っても撮ってもOKが出ない。
内村さんはコントに関して求める
モノの大きさがすごかった。」(伊藤)
『ボクたちの交換日記』舞台挨拶レポート

 

 映画監督としても活動するウッチャンナンチャンの内村光良が、若き芸人たちの青春を描いた鈴木おさむの小説を、自ら脚本を手がけて実写映画化した『ボクたちの交換日記』が、3月23日(土)より大阪ステーションシティシネマほかにて公開。12年もの間鳴かず飛ばずのお笑いコンビ“房総スイマーズ”を演じる伊藤淳史と小出恵介、そして内村光良監督が来阪、先行上映が行われた大阪ステーションシティシネマで舞台挨拶を行った。
 
――まずはご挨拶から
 
内村光良監督(以下、内村):ちょっとあがってます。すごくいい劇場でたくさんのお客さんが入ってくれたことに感無量でございます。
 
伊藤淳史(以下、伊藤):僕もあがってます。綺麗で大きな会場にたくさんの方に集まってもらってすごく幸せです。
 
小出恵介(以下、小出):この映画、すごく面白いです。自信を持ってお届け出来る作品だと思っております。
 
――映画化のきっかけは?
 
内村:「この本を元に映画化してもらえませんか」と依頼があって、鈴木おさむさんの『芸人交換日記~イエローハーツの物語~』という小説を渡されたのがきっかけです。お笑いの世界そのものを正面から撮るということに戸惑いはありましたが、鈴木おさむさんに実際お会いして「内村さん、コレ如何様にでも料理してやってください。」という寛大な言葉をいただいて。あと、コレは僕らの世代じゃなくもっと若い子たちの世代の話だから照れないで撮れるんじゃないかと思って、吹っ切って撮る決意を固めたんです。
 
――ふたりのキャスティングについては?
 
内村:まず伊藤淳史くんは、プロデューサーの方から彼どうですか? と薦められたんですが『西遊記』で共演してから家族ぐるみの付き合いがありまして、嫁さん同士も仲良くて温泉行ったりしてるんです。それでプロデューサーの方に「ちょっと近すぎて…」と言って1回消しました(笑)。それからバラエティで2,3度ご一緒して印象が良かった小出くんに田中役(ボケ)がいいんじゃないかなと思ったんです。『ROOKIES(ルーキーズ) 』とかで優等生のイメージもありましたし。でも実際お会いして食事に行ってみたら、彼、雑なんです。粗野なんです。いい意味でガサツなんですよ(笑)。それでこれはとんだ優等生だと面食らってしまいまして(笑)。その日にすぐ彼が甲本(ツッコミ)だと思いました。それで、じゃあ田中をどうしようとなった時にまた伊藤淳史が再浮上してきたんです。コントを教えるのにひとりは気心知れたやつがいた方が教えやすいんじゃないかと考え直すことにして、頭を下げて伊藤くんにお願いしました。
 
伊藤:本当、再浮上してきて良かったです(笑)。でもお笑い芸人さんの役を演じるということにハードルの高さを感じていました。みなさんお笑いに日常から慣れていますよね? だからそれだけクオリティの高いものを作らなければならない。でも、監督が内村さんということで、すべておまかせすればきっといいものになると思ったし、滑っても内村さんのせいにできるし(笑)、ここはおんぶに抱っこで頑張ろうと。
 
――小出さんは甲本という役に決まってどう思いましたか?
 
小出:僕は最初に原作を読ませていただいたんですが、鈴木おさむさんの芸人に対する愛情など熱い思いをダイレクトに感じてすごい素敵な小説だと思いました。でもこういったものを映画にするということは、ハードルが上がるということなので難しいだろうなと思いましたが、甲本という人間と気持ちが合って感情移入出来ましたので気合を入れて演じさせていただきました。すごく真面目に言いましたが作品の中ではこんな感じじゃないですけどね(笑)。
 
――コントのシーンについては?
 
内村:ふたりにはかなり練習してもらいました。新宿の実際お笑いの芸人さんが出ているライブハウスに飛び入り参加もしたんです。
そこですごい滑りましてね(笑)。最初出てきた時に起きた「キャー」という黄色い声がピークでした(笑)。舞台袖に帰ってきた時には、ふたり供、汗びっしょりで。でも、それでウケない時の気持ちを知ってもらいたかったんです。それを経てからの練習では目の色が全然違いましたね。撮影の合間もふたりで自主的にネタ合わせをしてくれるようになってましたし、ふたりにはすごく感謝しています。
 
小出:あの時は地獄を見ましたね。あんなアウェイ感を体験することないですからね。
 
伊藤:みんなの目がすごいんです。人ってこんな冷えきった目になるんだぁって。なんだか申し訳ない気持ちになりました。
 
小出:コントに関して監督は鬼でしたね。熱意とこだわりがすごくて。
 
内村:絶対、鬼じゃねぇよ(笑)。
 
伊藤:撮っても撮っても終わらない。OK出ないんじゃないかと不安になるくらい撮り続けたこともありましたよね。コントに関して求めるモノの大きさがすごかった。
 
内村:でも最終的にはOK出しましたよ。わたくし、鬼じゃあございません(笑)。
 
――お互いについては?
 
伊藤:僕たちふたりのコンビを中心に色んな物語が進んでいくんですけど、結構ひとりひとりで出てるシーンが多いんです。台本を読んでますし内容はもちろん知ってるんですけど、完成した映画を観たら甲本という人間をイメージしてた以上に好きになりました。
 
小出:映画で映る交換日記の字は実際に僕たちの字なんです。伊藤さんは字が綺麗で丁寧。普段の字とのギャップがすごい。これがスクリーンに映ると思った気合の入れ方が半端なくて。鉛筆で下書きしてボールペンで書いてましたよね。
 
伊藤:その下書きの跡が映ってないか不安です。こんな大きなスクリーンだと見えちゃいそうだな。
 
内村:君たち掛け合いがうまくなってるねぇ。キャンペーンで地方を色々回ってるんですがこの3人が揃ったのはここ大阪が初めてなんです。久々でそれも嬉しいです。
 
――最後にこれから映画を観る方へメッセージ
 
伊藤:コンビの愛やそれを支えてくれる人の愛など、いろんな愛がこもった映画になってると思います。まだ夢を持っていない子どもたちとか夢を見つけようとしている人、夢を追いかけている人、夢をあきらめて現実を歩んでる人、どんな人が観ても何か感じてもらえるものがある映画になってると思います。
 
小出:やっぱり夢を追いかけることは美しいなと今回演じていて感じました。女性だと夢を追いかける馬鹿な男を微笑ましく可愛いと思って見守ってくださるんじゃないかと思います。夢は、叶おうが叶わなかろうが素敵なこと。そういうことを思っていただけたら嬉しいです。
 
内村:去年の仕事の半分はこの映画に掛かりっきりだったので、本当にみなさんに観ていただけるということが本当に嬉しいです。よろしくお願いします。



(2013年3月22日更新)


Check

Movie Data



(C)2013「ボクたちの交換日記」製作委員会

『ボクたちの交換日記』

●3月23日(土)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開

【公式サイト】
http://koukan-nikki.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/161060/