妻夫木聡&井筒和幸監督が黄金絨毯に登場!
大阪を舞台に描くクライム・ミステリー
『黄金を抱いて翔べ』プレミアイベントレポート
1990年に日本推理サスペンス大賞を受賞した高村薫の同名小説を『パッチギ!』の井筒和幸監督が実写化した『黄金を抱いて翔べ』が現在、大阪ステーションシティシネマほかにて上映中。妻夫木聡、浅野忠信、チャンミン、桐谷健太ら豪華キャストが扮する6人の男たちが大阪の銀行地下に眠る240億円分の金塊を強奪しようとする姿を描いたクライム・ミステリーだ。
公開を記念して映画の舞台にもなっている大阪・中之島にて先日、Premierイベントが実施された。当日は、舞台挨拶前に中之島の中央公会堂前に約10メートルのレッドカーペットならぬ、ゴールドカーペットが登場し、セレモニーを実施。妻夫木聡、井筒和幸監督の登場には、集まったファンから大きな歓声と拍手が沸き起こった。
また、中央公会堂で行われた試写会での舞台挨拶では、妻夫木から「ちょうど今年の頭ぐらいにこの中之島辺りでずっと撮影していました。この周辺を車で走っていると、撮影がまだ終わってないような感じですね、なんて監督と話してたんですけど、そういう思い出深い場所でプレミア上映が出来ることを本当に嬉しく思います」と感慨深い様子で挨拶。また、井筒監督は「この原作が発売された当時、本当にかっこいい小説でね。(映画化したいと思ったが)全然力及ばずやなと思ってて。先輩の監督に先に映像化されたら嫌だなと思って、どうやって阻止してやろうかと思ってたのよ」と井筒節とも言える口調で原作本との運命的な出会いと本作への思い入れを語った。
そして、井筒組への参加が初めてとなる妻夫木は「井筒さんとは一緒に仕事したいとずっと思っていたし、前に1度話があったんですが、諸事情からその話がなくなってしまって、今回は念願が叶って、すごく楽しかったです。また、今回は監督が“ハードボイルドを撮る”という、今までと違うことに挑戦しようとしている時に僕を呼んでくださったのは、すごく光栄なことでした」と語った。念願が叶った井筒組への出演、しかし井筒監督と言えば演出が厳しいことでも有名だ。その監督の演出については「役者陣の中でも、本当に厳しいと有名な監督です。山田洋二か井筒和幸かというくらいに(笑)。でも、細部に渡って見てくださっているので、どんなに小さな役柄であっても、監督が愛情を持っているように感じられました。駄目だったら絶対OKを出さないし、その人がいい芝居をするまで井筒さんは演出されるんです。そういう姿を見ていると、こういう人がずっと支えてきたからこそ、今の日本映画界があるんだと実感しました」と監督を絶賛していた。
最後に妻夫木は「先日、この作品をまた観直したんですが、本当にハラハラドキドキしました。最近そういう感覚を味わえる映画が少ないので、その感覚を味わえて、それが偶然にも自分の映画だったというのがすごく嬉しかったです。また、ひとりひとりの男の生き様が「かっこいいの作っちゃったな井筒さん!」と思ってしまうくらいかっこいいんです。大阪のいたるところで撮影されていますし、出演者も大阪の方にこだわってらっしゃったので、大阪の方はなおさら観るところがたくさんあると思います。特に大阪で盛り上がってくれたら嬉しいです!」と観客に向けてアピールし、舞台挨拶は終了した。
本作は、妻夫木が語ってくれたように、関西人であれば誰もが見覚えのある場所が冒頭からたくさん登場する。そして、井筒監督による厳しい演出に全力で答えた役者陣の名演からも目が離せない。さらに物語が放つ緊張感と熱気には、体温が上昇していく感覚を味わう人も多いだろう。そんな見どころ満載の本作を是非劇場で体感し、関西から盛り上げていってほしい。
(2012年11月 6日更新)
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