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ホーム > NEWS > 《生誕百年 木下恵介監督全作品上映》開催記念! 木下恵介監督生誕百年特別上映会に “木下恵介アワー”「3人家族」で主演を務めた 栗原小巻が来場!

《生誕百年 木下恵介監督全作品上映》開催記念!
木下恵介監督生誕百年特別上映会に
“木下恵介アワー”「3人家族」で主演を務めた
栗原小巻が来場!

 小津安二郎、黒澤明、溝口健二と並び称される日本映画界を代表する巨匠・木下恵介監督。日本映画界最盛期の1950年代は、黒澤明とともに人気・評価を二分し、文芸映画から喜劇、ホームドラマ、青春映画まで幅広いジャンルの作品を発表。そんな木下監督の代表作である、日本初のカラー作品となった『カルメン故郷に帰る』(1951)、や『二十四の瞳』(1954)、『楢山節考』(1958)など全49本を一挙上映する 《生誕百年 木下恵介監督全作品上映》が7月21日(土)よりシネ・ヌーヴォにて開催される。本特集の公開を記念し、テレビドラマでも活躍した木下監督による“木下恵介アワー”の代表作「3人家族」の特別上映会に、主演の栗原小巻が来場し、トークショーを行った。

 

 吉永小百合と並ぶ人気を誇り、“サユリスト”に対抗した“コマキスト”なるファン層をも生み出した栗原小巻だけに、会場は満席で、栗原が登場するや拍手が鳴り止まず、観客は憧れの眼差しで栗原を見つめていた。そんな中始まったトークショーでは、まず上映したばかりの「3人家族」の第1話と第2話の話題から始まった。木下恵介監督の演出を、「3人家族」で初めて経験した栗原は「まるで映画のような撮影でした。実際に電車に乗って撮影したり、道路を封鎖してレールを引いて撮影したり、テレビドラマでは考えられないような大掛かりな撮影だったことを覚えています。監督は、いつも先駆けて何かを手掛けていた方で、映画監督がテレビドラマの監督を務めることもそうですし、「3人家族」の時も、ワンシーンワンカットで、フィルムで撮影するなど、本当に映画のような撮影でした」と語り、それまでに経験したテレビドラマとは全く違う環境での撮影だったようだ。

 

 そして、「3人家族」のカップル役で初共演を果たし、その後「二人の世界」でも共演した、竹脇無我さんについては、「無我さんが昨年亡くなられた時は、本当に寂しい気持ちで胸がいっぱいになりました。無我さんとは「3人家族」で初めてご一緒させていただいたんですが、温かくて優しい、誰からも愛されるドラマのキャラクターそのもののような人柄の方でした。私は、無我さんには幼なじみのような感覚を持っていましたし、ドラマの後違う撮影でお会いしても、思わずあの頃に戻ってしまうような感覚でした」と無我さんへの思いを語っていた。また、現在も活躍する脚本家・山田太一の脚本について栗原は、「私も視聴者の方と同じように、次の回がどうなるのか気になって、台本をすごく楽しみにしていました。私は、山田さんの書かれる台詞がとても好きで、その後のトレンディドラマのはしりみたいな作品だったんじゃないかと思っています」と語り、さらにはワンシーンがとても長いことで知られる山田の脚本を“丁寧さと大胆さ”が同居した作品だったと話していた。

 

 最後に、「3人家族」で初めて監督作品に出演し、その後「二人の世界」、さらには映画『スリランカの愛と別れ』(1976)で主演を務めるなど、テレビドラマと映画両方で木下監督作品に出演した栗原に木下監督作品について聞いてみると、「私は、監督が映画をたくさん撮っていた頃よりも後の時代にデビューしたので、もう少し早ければ、映画にも後何本か出させていただきたかったです。木下監督は、リアリズムとファンタジーの両面で評価された方だと思うので、今回の全作品上映で監督の世界観を堪能していただけたら嬉しいです。私は、『スリランカの愛と別れ』で『二十四の瞳』の高峰秀子さんと共演させていただいたことが、すごく印象的ですが、高峰さんが主演されていた『喜びも悲しみも幾歳月』(1957)など、監督の作品は素晴らしい作品ばかりなので、49作品が一挙に観られるこの機会に、時代を超えて愛される監督の作品を観ていただけることは本当に嬉しいです。また、今回「3人家族」や「二人の世界」がDVD化されるということで、映画もテレビドラマも永遠なんだと感じてもらえれば、さらに嬉しいです」と、映画はもちろんテレビドラマ作品への思いも語ってくれた。そんな栗原小巻が主演を務めた『スリランカの愛と別れ』をはじめ、不朽の名作『二十四の瞳』や、米アカデミー賞外国語作品賞にノミネートされた『永遠の人』(1961)など決して色あせることのない名作ぞろいの今回の特集上映。ぜひ、スクリーンで堪能してください!




(2012年7月19日更新)


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Event Data

『女』(C)1948松竹株式会社


『カルメン故郷に帰る』(C)1951松竹株式会社


『二十四の瞳』(C)1954松竹株式会社


『永遠の人』(C)1961松竹株式会社

《生誕百年 木下恵介監督全作品上映》

●7月21日(土)より9月7日(金)まで、シネ・ヌーヴォにて開催

【シネ・ヌーヴォ劇場公式サイト】
http://www.cinenouveau.com/

【特集サイト】
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/kinoshita/kinoshita.html

チケット情報はこちら

【料金】
前売1回券-1200円 前売3回券-3300円 前売5回券-5000円
当日一般-1400円 学生-1200円 シニア・会員-1000円 高・中・小-800円
当日3回券-3900円 当日5回券-6000円 シニア・会員5回券-4500円
〈レイト割引〉19:40以降の作品は1000円均一