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『ユキエ』『折り梅』で女性の共感を呼んだ
松井久子監督がサンケイホールブリーゼで
『レオニー』トーク付上映会を開催!

 世界的に有名な彫刻家、イサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアの人生に焦点を当てた人間ドラマ『レオニー』。20世紀初頭のNYを舞台に、詩人である聡明な日本人の青年・野口米次郎と出会い、やがて彼の子をみごもるも、シングルマザーとなってしまうレオニーが、息子と共に過酷な運命を生き抜いていく姿が、美しい映像とともに綴られる。中村獅童や原田美枝子ら、日本勢の豪華役者陣にも注目してほしい本作の監督を務めたのが、『ユキエ』『折り梅』など家族の絆を描いてきた松井久子監督だ。6月19日(火)のトーク付上映会を前に、監督に話を聞いた。

 

 彫刻家イサム・ノグチや詩人・野口米次郎の名前を知っている人は多いと思われるが、イサム・ノグチの母親で野口米次郎の恋人であったレオニー・ギルモアという女性のことをご存知だった方は少ないのではないのだろうか。松井監督は、なぜレオニー・ギルモアという女性にスポットを当てた映画を作ろうと思ったのだろうか。

 

レオニー_監督.jpg松井久子監督(以下、松井):イサム・ノグチはもちろんのこと、父親の野口米次郎もふたりとも世の中に知られた方ですよね。でも、レオニーという女性がいなかったら、イサム・ノグチは芸術家になっていなかっただろうし、父親なんかまさに彼女の力でアメリカでも日本でも活躍できたんです。そんな風に、男の人の活躍は世に出て世の中の人に知られるけれど、レオニーという男性を支えた女性の話は、私も知らなかったですし、ほとんどの人が知らないですよね。男の人が活躍していたかげには、必ず女性の存在があったはずなのに、それが知られていないことへの憤りと、レオニーという女性の存在を知ってもらいたいという思いで映画を作りました。

 

 「レオニーという女性の存在を知ってもらいたい」と語る監督だが、監督が一番レオニーに惹かれた部分はどこなのだろうか。

 

松井:今の時代であれば、シングルマザーも多いですし、仕事を持ちながら子育てをすることも多いですよね。でも、レオニーの時代にはかなり特殊な女性だったと思うんです。だからこそ、現代の女性にとってはレオニーの人生は大きな共感を呼ぶのではないかと思いました。それと、現代は女性が強くなったと言われていますが、社会的に恵まれた状態になって、この時代よりも選択肢は増えているだろうけど、この人たちが持っていた強さを失っていると思うんです。少なくとも全てにおいて自分で選択していたことが、レオニーの潔さだと思いますし、そういう意味で“運命を引き受ける”というレオニーの姿勢は現代の女性へのメッセージにもなると思ったんです。

 

 本作は、現代を生きる女性への監督からのエールであるとともに、舞台となった日本やアメリカの風景の美しさや徹底した時代考証にも驚かされる作品となっている。

 

松井:ハリウッド映画で描かれた日本の文化を、日本人が見るとやはりちょっと違って見えると思うんです。だから、明治・大正・昭和初期の日本の良さや文化、日本の美しさをちゃんと描くことがこの映画の目的だったんです。そして、逆にアメリカ人から100年前のアメリカはこうじゃなかったと思われるのも嫌だったので、私とカメラマンと俳優だけが同じで、アメリカはアメリカのスタッフ、日本では日本のスタッフで撮影していました。

 

 そのように、様々なことにこだわりながら監督自身が6年をかけて資金集めをし、ようやく完成することができた本作。本作も過去2作と同様、映画館での上映が終わった今も、監督のトーク付上映会が全国各地で行われている。監督のトークの魅力とは?

 

松井:私は若い時から映画監督になりたかったわけではないですし、映画監督になったのも50代なんです。でも、いつからか私のチャレンジの姿勢や、映画作りをとおして乗り越えてきたことなど、私の映画作り体験も女性たちを励ましていることに気付いたんです。だから、映画のメッセージは映画で伝えているので、トークショーでは私の体験をメッセージとして伝えたいと思っています。だから、私は皆さまが想像するような映画監督ではないので、お客様から「本当にあなたがこの映画を作ったの?」と聞かれることも多いんです。また、私が50歳を過ぎてから色々なことにチャレンジしているように、自分も何かできるかもしれないと思って何かに挑戦された方も多いんです。そうしたらいつの間にか、私の映画を上映する時はお話付きの上映になっていました(笑)。

 

 監督の体験談を聞くことで励まされたり、何かに挑戦してみようかという意欲がわいてくる人が多いそうだが、特に『レオニー』はリピーターの方が多いのが特徴だそう。現在の自分の状況や年齢によって、感じ方が変わるのだろう。ぜひ、映画『レオニー』を監督のトークとともに楽しんだ後に、再度『レオニー』を観られることをオススメします!




(2012年6月 6日更新)


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Event Data


(C)レオニーパートナーズ合同会社

『レオニー』松井久子監督トーク付き上映会

【日時】6月19日(火)10:30/14:30/18:30
【劇場】サンケイホールブリーゼ
【登壇者】松井久子監督 (予定)
【料金】全席指定-1800円
【Pコード】559-797

【公式サイト】
http://www.leoniethemovie.com/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/154685/

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