『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』で
声優を務めた岩永洋昭＆行成とあ＆
窪岡俊之監督らが来場した舞台挨拶の模様をレポート

　第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞を受賞し、ドイツ、フランスを始め全世界15ヵ国で翻訳され、全世界での発行部数3000万部を誇る三浦健太郎による原作『ベルセルク』完全映画化計画“ベルセルク・サーガプロジェクト”の第二弾『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』が6月23日(土)より梅田ブルク7ほかにて公開される。グリフィス率いる鷹の団が、難攻不落の要塞ドルドレイ攻略に挑む姿を描く。同時に、ガッツとグリフィスの関係性の変化など今後の物語を語る上で欠かせない重要なエピソードが満載なうえ、デジタル技術を駆使した怒涛の戦闘描写にも注目したい本作の公開に先立ち、主人公・ガッツの声を務めた岩永洋昭、鷹の団唯一の女性であるキャスカの声を務めた行成とあ、そして、窪岡俊之監督が来阪し、舞台挨拶を行った。

　キャストと監督が登壇するや、『ベルセルク』ファンで埋まった会場からは黄色い歓声が飛び交い、予想以上の盛り上がりに岩永や行成、窪岡監督も笑顔を隠せない様子で舞台挨拶は始まった。主人公・ガッツの声を務めた岩永は、本作のガッツの声からは想像できないが、声優を務めたのは前作『ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵』が初めてで、普段は仮面ライダーシリーズなどに出演するなど、役者として活躍している。まずは、監督に岩永を抜擢した理由を聞いてみると、「オーディションはかなりたくさんやったんですが、なかなかガッツのイメージに合う人に出会えなかったんです。そんな時に岩永くんのぶっきらぼうな感じの声を聞いて、筋肉で盛り上がった彼の後ろ姿を見て、ガッツのイメージ通りの人が見つかったと思いました」と褒めちぎる一方、岩永は「最初は実写だと思ってたんです。だから、筋肉をつけた方がいいかと思って頑張ったりしていたんですが、声優と聞いてまさか選ばれるとは思いませんでした。似てるところって髪形ぐらいですよね(笑)」と恐縮しきりだった。また、行成についても監督は「行成さんの声を聞いて、キャスカにぴったりだと思った」と語る一方、元々『ベルセルク』のファンだった行成は、「キャスカ役を務めることができて本当に嬉しかったです。今回は、幼少期や戦のシーン、そして女の部分など1作目では見られなかった色んなキャスカを見せられることができたと思います。彼女のコロコロ変わる表情についても、自分だったらどうするか考えて、自然な言葉が出たと思います」と本作での見どころもアピールしていた。

　また、岩永と行成に窪岡監督のイメージを聞いてみると、「(キャスカのイメージについて)自分が感じたことや思ったことも自由に言わせてもらえたので、監督のことはすごく信頼しています。ほんわかした感じでアフレコも進みました」(行成)、「あまりキャラクターを作りこみすぎず、フラットな状態でアフレコもやらせていただきましたし、不安もありましたが全部ぶつけても大丈夫だと思わせてくれる監督でした」(岩永)と、ぞれぞれ絶賛。それを受けて窪岡監督は、「自分のイメージに固執せず、キャストがやりたいようにやってもらっただけです」と、今回は恐縮しきりだった。

　そんな賞賛が飛び交う舞台挨拶も、最後の挨拶を迎えると、まずガッツの声を務めた岩永は「スタッフさんが力を合わせて作り上げた超大作です。先日、キャストとスタッフで打ち上げをする機会があったのですが、スタッフさんの中には本当に大変だったことを思い出して号泣される方がいらっしゃるぐらいの努力が結集した作品になっています！」と作品への自信を伺わせていた。また、キャスカの声を務めた行成も「岩永さんがおっしゃったように、スタッフさんの並々ならぬ努力と絆によって一生懸命作り上げた作品です。私も出来上がったキャラクターに魂を吹き込みました」と作品をアピール。そして最後に窪岡監督は、「スタッフの頑張りによって、完成度の高い作品に仕上がりました。前作よりも上映時間が長くなっているのも、スタッフの努力の結晶というか、密度が凝縮された証だと思います」とスタッフあってこその作品作りという、監督の重いが伝わってくるようなコメントを披露し、拍手喝采の中で舞台挨拶は終了した。

　第1弾『ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵』に引き続き、前代未聞の壮大なプロジェクトを手がけた、世界でも最高峰のアニメーション技術を誇るSTUDIO4℃による、中世ヨーロッパの建造物や甲冑、そして圧倒的な迫力で描かれる戦闘シーン、さらには、映像化不可能と言われたエロスとバイオレンスにおいても、濃密に丁寧に、そして凶暴に描ききった技術力は圧巻のひと言。そんな未知の領域に踏み込んだダークファンタジーの第2弾をぜひ劇場で目撃してほしい。

（2012年6月20日更新）