ホーム > NEWS > 小惑星探査機“はやぶさ”の様々なエピソードを、 “家族”をテーマに綴った『おかえり、はやぶさ』 藤原竜也&杏らが来場した舞台挨拶の模様をレポート
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力のもと、昨年6 月13日に約60億キロの飛行の末、地球へと帰還した小惑星探査機“はやぶさ”にまつわる様々なエピソードを、“家族”をテーマに綴った『おかえり、はやぶさ』が3月10日(土)より大阪ステーションシティシネマほかにて公開される。臨場感とスペクタクル感が存分に味わえる宇宙空間の3D映像にも注目してほしい作品だ。本作の公開に先立ち、JAXAエンジニア助手の大橋健人を演じた藤原竜也、JAXA理学博士の野村奈緒子に扮した杏、そして『釣りバカ日誌』シリーズや『鴨川ホルモー』などで知られる本木克英監督が来阪し、なんばパークスで行われた親子試写会で舞台挨拶を行った。
映画を観終えたばかりの満員の観客による大きな拍手で出迎えられた3人。杏が「どうでしたか?」と観客に尋ねると、さらに大きな拍手が返ってきていた。そんな中、まずは3人の挨拶から舞台挨拶は始まった。本木監督は、「“はやぶさ”がどんなすごいことをしたのか、少年少女のみなさんにも、僕でもわかるようにわかりやすく作りました」と、“わかりやすさ”をテーマにしていたことをアピール。そして、元々宇宙に興味があった藤原竜也と杏は「多くの子どもたちにこの映画を観てもらって、宇宙にそしてJAXAに興味を持ってもらえれば嬉しいです」(藤原)、「私も藤原さんも、小さい頃から宇宙が大好きだったんですが、この作品をとおして、大人になっても宇宙ってすごいと思うことができました。宇宙の広さや時間の流れの雄大さを知れば知るほど、過去、現在、未来に繋がっていくし、視野が広がっていくと思うので、これからもどんどん宇宙に興味を持ってもらえると嬉しいです」(杏)と、それぞれ宇宙の魅力を伝えていた。
杏が語るように、本作からは宇宙の奥深さや雄大さが伝わってくるが、それには3D映像によるダイナミックさが大きな影響を与えている。3Dならではの演出について監督に聞いてみると、「杏さんと藤原さんが映画の軸にはなるんですが、映画の最後の方は皆が支えた“はやぶさ”が生き物のように見えればいいな、と思って演出していました。3Dというと皆さん、飛び出すものを思い浮かべると思うんですが、飛び出すばかりだと疲れてしまうので、僕も観客の目線になって、奥行きに飽きてきたんじゃないかと思ったら飛び出すようにメリハリを考えていました。俳優さんは、通常どおりの撮影と変わらなかったので、俳優さんの中には2、3週間後に3Dだと気づいた方もいらっしゃいました(笑)」と撮影の裏話も披露。また、本作で初めて3D映画を体験した藤原は、「僕は今まで全編とおして3Dの映画を観たことがなかったので、3Dの技術がここまで進化していることに驚きました。疲れるんじゃないかと思っていたんですが、全く疲れることなく最後まで楽しめました」と、体験談を絡めて3Dの魅力をアピール。
すると、藤原が「それより、大阪での舞台挨拶なのに前田旺志郎が来てなくてすみません(笑)。謝らなきゃいけないですね」と、本作で藤原演じる健人が家族同然の付き合いをしている同僚の息子・風太を演じたまえだまえだの前田旺志郎の話題に。監督も「現場でも、よく虫を探しに行って行方不明になってたから、今日もどこか行ってるんじゃないですか(笑)」と話題にのっていくと、杏も「ちょうど、撮影が夏だったので、くわがたとか探しに行ってたんですよね」、藤原も「大事なシーンなのに、戻ってきたら汗だくになっちゃってて、メイクさんに迷惑かけていました。意味なくお兄ちゃんの航基も来てたし」と、それぞれが撮影中の旺志郎の問題児ぶりを暴露。また、実は監督もお兄ちゃんの航基を出演させることを考えたそうだが、「そうすると前田旺志郎にしか見えなくなって映画全体のリアリティを失うと思ったので止めました(笑)」と兄弟共演とならなかった理由を語っていた。さらに、旺志郎についての暴露は止まらず、藤原が「旺志郎は、撮影初日に僕のところにきて“藤原さん、はやぶさってなんなん?”って言ってましたからね。ひどい奴ですよ(笑)」と、なんと“はやぶさ”を知らなかったことまでバラしてしまった。杏も、子ども宇宙教室のシーンなどで旺志郎と絡むことも多かったようだが、「宇宙教室のシーンでも“スイングバイってなんなん?遠心力ってなんなん?”って言うから、旺志郎を持ってぶんと振り回して、リアルに身体で遠心力を感じてもらいました(笑)」というコメントからは、楽しい撮影の様子が伺えた。
そんな、暴露話も飛び出した舞台挨拶も最後の挨拶の時間となった。まずは、元々空が好きで“はやぶさ”や宇宙空間に興味があったと語る藤原は「僕は、JAXAに行ってイオンエンジンを間近で見たり、科学者の方とお話させていただいて、緊張するより興奮することの方が大きかったです。すごく天才的なことをやってらっしゃる方たちなのに、JAXAの中ではすごく普通なんです。でも、静かに作業をしているように見えて、心の中には熱い思いを持ってらっしゃるので、もっと“はやぶさ”や“はやぶさ2”を応援したくなりました」と、今後も応援していきたい気持ちを語ってくれた。そして、宇宙が大好きだという杏は、「未来の大きなヒントが宇宙や“はやぶさ”に隠されていると思いますし、“はやぶさ”の物語もこれで終わりではなくて、まだまだずっと続いていくものです。“はやぶさ2”が帰ってくる頃には、今日来てくださっている子どもたちの中にはお母さん、お父さんになっている方もいるかもしれません。そう考えると、長い長いプロジェクトですよね。今回は“はやぶさ”が帰ってきて大ニュースになりましたが、今度の“はやぶさ2”は最初からみんなで応援してあげたいと思うんです。この映画が色んなことを考えるきっかけになればいいなと思いますし、この映画に参加できてとても光栄でした」とこの先も続いていく“はやぶさ”のプロジェクトへの思いを語っていた。最後に監督が映画へ込めた熱い思いを語ってくれた。「この映画は、あらゆる世代の人が持っている少年少女の心に訴えかける作品だと思います。“はやぶさ”がすごいと言っても、みんなよくわかってないと思うんです。それが全てわかるように作ったつもりです。JAXAの先生方とお話していても皆さんが口々に、僕たちがすごいんじゃなくて先人たちが失敗を重ねてきた技術が今活かされているんですっておっしゃるんです。自分の手柄や実績ではなく、チームの実績を上げようという、美しい日本人の姿を久しぶりに見て清々しい気持ちになったので、その気持ちは作品に込めました。そして、先ほど藤原くんも言っていましたが、2014年に“はやぶさ2”を打ち上げる予定になっています。それがJAXAの先生方に話を聞くと、実は“はやぶさ2”の予算が削減されているそうなんです。だから、ぜひ全国的にも有名な橋下徹市長に大阪から声を上げてもらいたいですね。そして、皆さんにも声を上げていただいて、未来を担う少年少女の皆さんに宇宙に興味を持ってもらえると嬉しいです」
(2012年3月 9日更新)
●3月10日(土)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開
【公式サイト】
http://hayabusa3d.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/156382/