ホーム > NEWS > 「この作品は絶対に大阪の人好みの作品です!」 『スマグラー おまえの未来を運べ』 妻夫木聡&石井克人監督舞台挨拶レポート
『闇金ウシジマくん』で知られる漫画家・真鍋昌平の同名コミックを『鮫肌男と桃尻女』の石井克人監督が映画化した『スマグラー おまえの未来を運べ』が10月22日(土)より梅田ブルク7ほかにて公開される。膨大な額の借金返済のため、危険な運び屋稼業に手を染めたフリーターが様々なトラブルに見舞われていく姿を、個性豊かなキャラクターたちとの関わり合いを通して描き出す。妻夫木聡が主人公のフリーター・砧を演じ、永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信ら演技派俳優たちが華麗なる怪演を見せている。公開に先立ち、妻夫木聡と石井克人監督が来阪し、舞台挨拶を行った。
MCからのサプライズゲストの発言でテンションの上がった、女性でいっぱいの劇場に、妻夫木聡と石井克人監督が登場すると、会場からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。妻夫木は、10年以上も石井監督の作品に出演したいと願い続け、本作でようやく念願がかなったこともあり、登場時から石井監督との舞台挨拶も嬉しくて仕方がないといった様子だった。妻夫木は「石井監督の『鮫肌男と桃尻女』を初めて観た時に、衝撃を受けて、この監督といつか一緒に仕事がしたいと思い続けて10年経って、やっとお声をかけていただいた、僕にとっては記念すべき作品です。普段は、●●監督からオファーをもらったと聞いたら、台本を読んだり原作を読んだりして決めるんですが、今回は「石井監督からオファーもらったよ」と聞いた瞬間に『スマグラー』のスの字も聞かずに「やります」と言ってましたね」と、監督へ熱烈なラブコール。すると、石井監督も「原作を読んで、砧が妻夫木くんに似ていたこともあるんですが(笑)。物語の展開を考えた時に、砧役が妻夫木くんにぴったりだったんですよね」と相思相愛の返答。
妻夫木にとっては、石井監督の作品に出演する嬉しさに加え、共演者にも10年来の交友を持つ永瀬正敏や、昨年、李相日監督作『悪人』で共演した満島ひかり、同じ李相日監督による『69 sixty nine』で共演した安藤政信など、縁のある役者がそろった作品となっている。「永瀬さんとは10年前ぐらい前から親しくさせていただいていたんですが、CMを除くと、こういう風にきちんと共演するのは初めてで、すごく嬉しかったです。満島さんは、お互い『悪人』で追いこまれていたので、石井さんのもとでふたりとものびのびと遊ばせていただきました(笑)。李相日監督には、「監督と一緒に仕事をするのは、3年に1回ぐらいじゃないと精神がもたない」と言っているんです(笑)」
監督との掛け合いや本作の話をするのが嬉しくて仕方がないといった様子の妻夫木だが、舞台挨拶当日は朝から新聞やTVの取材を連続して受け続け、疲労もあったはずだがー「やりたかった作品だと取材も楽しいですよね(笑)。すごく記者の皆さんの反応も良かったので嬉しかったです。それに、この作品は大阪好みですよ、まじで。スカッと観て、スカッと帰って、酒飲んでって感じですもんこの映画(笑)」と、観客にアピールすると、客席からは大きな笑いが起こっていた。
そんな楽しい掛け合いもつかの間、最後に監督と妻夫木に作品への思いを聞いてみると、監督は「短い期間だったんですが、すごく濃厚な撮影で役者の皆さんもすごく頑張ってくれて、キャラクターになりきってくれていました。思ったよりもショッキングなシーンがありますし、色んなキャラクターが出てきますが、特に砧に共感して観てもらえると後々恐ろしいことが起こりますので、すごく楽しんで観てもらえると思います(笑)」。妻夫木は、「今回は、役作りを完璧なものにするために、寝なかったり、食生活のバランスを崩したり、とにかく不摂生をするのがとても大変でした。僕の顔がスクリーンに映った瞬間に「だめだな~こいつ」と思ってもらえるような顔を作りあげるのに必死になってました。だから、僕の顔色は相当悪いと思うので、そこもチェックしてほしいんですが、色んなものが詰め込まれた作品なので、全部見逃してほしくないですね。石井監督の世界観も存分に味わえる作品になっているし、今回はすごくキャラが濃いのでそれぞれのキャラクターを観るだけでも楽しめると思いますが、とにかく刺激的な場面が多いので、日常に疲れた方にはいい刺激になると思います(笑)。この作品のキャンペーンも大阪から始まったので、大阪から盛り上げる意味でも、大阪の方だったら3、4回は観てもらいたいですね(笑)」と、最後まで大阪へのアピールを欠かさなかった。
監督と妻夫木が声を揃えて「刺激的」と語るように、本作は日本映画ではなかなか観ることのできない、ハイスピードカメラやCGを駆使した、派手なアクションシーンが満載の刺激的なアクション・エンタテインメントに仕上がっている。それに加えて、何の努力もせず、流されて生きてきた主人公が、初めて自分の意思で決断するーそんな、ひとりの男の成長する姿に元気をもらえる1作だ。
(2011年10月14日更新)
●10月22日(土)より、梅田ブルク7ほかにて公開
【公式サイト】
http://smuggler.jp/
【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/155764/