ホーム > NEWS > 六甲山を舞台にした現代アートの祭典 『神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond』開催中
緑豊かな神戸・六甲山で現代アート作品を楽しめる芸術祭『神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond』が8月29日に開幕した。17回目の開催となる今年は、公募と招待アーティスト約60組による幅広いジャンルの作品が、六甲山上の各会場で展開されている。
今年のテーマは、「神戸を象徴する山・六甲山がもつさまざまな魅力とアート、人々が出会うことで新たな物語を生み出す」という思い。「六甲山を歩き、風景に触れ、多様な表現と出会う体験が、訪れた人々の中に眠る感性を呼び覚まし、新たな発見や対話を生むことを願っている」と、総合ディレクターの山川佳乃さんは語る。
テーマに合わせ、六甲山の自然の中でよりアートを楽しめるよう作品展示エリアを整備。公募作品に加え、多彩な国内外のアーティストを招待するほか、子どもたちがアートに触れるワークショップなどの機会も創出している。
また、エリアごとに担当キュレーターが付き、総合ディレクターやキュレーターがガイドを務めるツアー(有料)も開催。作品の背景や見どころを知ることで、より深く六甲山での芸術散歩を楽しめる企画となっている(開催日は公式サイトを参照)。
ROKKO森の音ミュージアムでは、昨年から常設展示されている奈良美智の《Peace Head》に加え、3月14日から特別寄託作品として展示されている草間彌生の大型立体作品《南瓜》にも注目が集まる。いずれも芸術祭の会期終了後も引き続き展示されることでも話題となっている。
全384プランの中から二次審査を経て、公募大賞グランプリに選ばれたのは、reiko tsubotaの《夕暮れをずらす》だ。斜面に設置された鏡面のオブジェを起点に、空間や時間の変化を体感する作品。夕暮れ時には西日がオブジェに当たり、地面やその周辺に光が照り返される。自然の時間の流れを体感するとともに、現代社会を取り巻く秩序や時間の概念についても考えさせられる。季節や時間帯によって風景が変化するため、何度も訪れたくなる作品だ。
風の教会エリアに展示されている野田満の《Monster Tree》は、土を積み上げて作られた直径約12メートルの巨大な切り株。自然に対する人間の介入を象徴する切り株から、かつて存在した自然と人との関わりやその変化、さらには未来をも想起させる作品となっている。公募大賞準グランプリを受賞した。

公募大賞準グランプリ≪Monster Tree≫野田満(風の教会エリア)
六甲高山植物園内「ショップアルピコラ」に展示されている阿部文香の《猪は山を嗅ぎ、人は山を語る。そして 山は私たちを見る》も印象的だ。まず、吊るされた猪の皮が観る者に強いインパクトを与え、そこに映し出される映像が不思議な感覚を呼び起こす。この映像は、駆除された猪の目から取り出した水晶体をレンズにして撮影された六甲の風景。見る者と見られる者、人間と動物、内部と外部の境界、そして「見える」とは何かを考えさせられる作品となっている。

《猪は山を嗅ぎ、人は山を語る。そして 山は私たちを見る》阿部文香(六甲高山植物園)。神戸市長賞、神戸文化マザーポートクラブ賞を受賞
このほかにも各会場では、個性的で見応えのある作品が六甲山の自然と調和しながら展示されている。絵画や彫刻、映像など、従来の芸術の枠にとらわれず、さまざまな手法で自由に表現される現代アート。六甲山の自然を歩きながら親しみ、気軽にアートを体感してみては。
10会場の作品をゆっくり周遊・鑑賞するなら、時期をずらしながら数回に分けて訪れるのがおすすめ。屋外作品は、季節の移ろいによって山々の緑や周囲の風景が変化するため、同じ作品でも訪れる時期によって異なる趣を楽しめそうだ。
9月19日(土)からは、土日祝限定で『ひかりの森~夜の芸術散歩~』がROKKO森の音ミュージアムと六甲高山植物園で開催され、幻想的な六甲山上の夜も楽しめる。
同芸術祭は11月29日(日)まで。会場を周遊するなら、会期中にすべての有料会場へ入場できる「鑑賞パスポート」の購入がおすすめ。チケットぴあ(WEB割引あり)で好評発売中。
取材・文・撮影/滝野利喜雄
(2026年9月10日更新)
会期:8月29日(土)~11月29日(日)
開催時間:10:00~17:00
※会場により一部異なる
会場:六甲山上10会場
休業日:会期中無休、ただし「六甲山サイレンスリゾート」は毎週月曜日休業(月曜が祝日の場合は、翌平日が振替休業)
鑑賞パスポート<チケットぴあ WEB割>:
【昼パス】大人(中学生以上)3200円
【夜パス】大人(中学生以上)1950円
【昼夜パス】大人(中学生以上)4200円
開催日:9月19日(土)~11月29日(日)の土日祝
開催時間:17:00~20:00(19:00各入場券販売終了)
会場:ROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園
鑑賞パスポート:
【夜パス】大人(中学生以上)1950円
【昼夜パス】大人(中学生以上)4200円