ホーム > NEWS > 「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が 京都市京セラ美術館で開催!
英国を代表する国立美術館のひとつであるテート美術館が所蔵する同館のコレクションを中心に、1990年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に紹介する「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が9月6日(日)まで、京都市京セラ美術館にて開催中。
サッチャー政権時代(1979-90年)を経験して失業率が悪化するなど緊張感漂う英国社会では既存の美術の枠組みを問い、作品の制作や発表において実験的な試みをする作家たちが数多く登場した、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当てる。
当時「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれた作家たち、そして、彼らと同時代のアーティストたちは、大衆文化、個人的な物語や社会構造の変化などをテーマとし、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど多様な手法を用いて独創的な作品を発表。50名を超える作家による約90作品を通じて、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を検証する、これまでにない画期的な内容の展覧会だ。
本展は、90年代の英国美術の独自性を6つのテーマを通じて検証し、各章をつなぐ重要な作品を「スポットライト」として紹介。第1章「ブロークン・イングリッシュ:ニュージェネレーションの登場」では、1980年代にYBAムーブメントの起点となった独自の展覧会を企画した新世代のアーティストの作品を紹介。ダミアン・ハーストの《後天的な回避不能》などが展示されている。

第2章「おおぐま座:都市のイメージをつなぐ」では、地域社会のアイデンティティを浸食する社会的・経済的な変化に批判的なまなざしを向け、都市に広がるメランコリーや人々の疎外感を表現したアーティストを紹介。サイモン・パターソンの《おおぐま座》では、ロンドンの公式路線図を用いて、駅名を哲学者や俳優、政治家など著名人の名前に置き換えている。私たちの思い込みを軽やかに裏切る手法に驚かされるだろう。

第3章「あの瞬間を共有する:音楽、サブカルチャー、ファッション」では、急速に変化する政治や社会の中でかけがえのない瞬間や人間同士のつながりを大切にする価値観を共有するアーティストを紹介。ジョニー・シャンド・キッドの《ヤング・ブリティッシュ・アーティストのポートレイト》やヴォルフガング・ティルマンスの《ザ・コック(キス)》や《座るケイト》などの作品が展示されている。

第5章「家という個人的空間」では、家族や家庭のあり方、家にまつわる慣習的な表現に挑戦した90年代のアーティストを紹介。中でも、家庭用品を革新的な方法を用いて、ジェンダーやセクシュアリティを表現することで、男性社会を批判するサラ・ルーカスの《煙草のおっぱい(理想化された喫煙者の椅子Ⅱ)》は挑発的な作品のひとつ。

そして、第5章と第6章の間にはスポットライトとして、日常的に目にするものを大量に集め、時に変形させ、天井から吊るす彫刻作品で知られるコーネリア・パーカーの代表作《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》が展示されている。展示室に入った瞬間に、独創性と並外れたクリエイティビティに圧倒されるはず。

第6章「なんでもないものから何かが生まれる:身近にあるもの」では、鮮やかな色彩、明確な輪郭線を用いて見慣れた日用品を描くマイケル・クレイグ=マーティンの《知ること》などが展示されている。日常生活の中に溶け込んでしまっているものに対する私たちの意識を刷新する作品の数々に魅了されるはず。

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」は、9月6日(日)まで、京都市京セラ美術館にて開催。
取材・文/華崎陽子
(2026年6月 4日更新)
●9月6日(日)まで
【時間】10:00~18:00(入場は閉場30分前まで)
【休館】月曜日(祝日の場合は開館)
【会場】京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
【料金】一般2,300円 大学生1,500円 高校生900円
※中学生以下入場無料(未就学児は要保護者同伴)。
※団体料金は20名以上。
※専門学生は大学生料金で入場可能。
※学生料金でご入場の方は学生証のご提示をお願いいたします。
※障害者手帳等をご提示の方は本人及び介護者1名無料。
(障害者手帳等確認できるものをご持参ください)
【お問い合わせ】展覧会に関するお問い合わせ:京都市京セラ美術館 075-771-4334
京都会場チケットに関するお問い合わせ:キョードーインフォメーション0570-200-888(12:00〜17:00/土日祝休み)
【公式サイト】
https://www.ybabeyond.jp/