堀江の西の端から
自由なカルチャーを発信するカフェバー
「WESTSIDE314」が誕生

おしゃれなカフェやショップ、公園が多く、住み心地の良いエリアとして人気が高い南堀江。南堀江の中でも新なにわ筋から木津川までのディープな西エリアで、23年間に渡り営業を続けてきたFUJI ROCK FESTIVALオフィシャルバー「bigcake」が2023年5月に惜しまれつつ閉店に。そこで、全国のフジロッカーやミュージックラバーたちに愛されてきた場所を受け継ごうと、カフェプロジェクト「WESTSIDE314（うぇすとさいどさんいちよん）」が発足した。

イベントディレクター、カレー屋店主など数名の有志によって始動したこのプロジェクト。昨年の「FUJI ROCK FESTIVAL '23」では、実店舗がまだない中、オアシスエリアに初出店を果たし大盛況に。国内外で活躍するアーティストbuggy氏が手掛けた"メシを喰うロックスター"のインパクトあるイラストが記憶に残っている人も多いだろう。そしてついに、約1年の準備期間を経て、7月1日にグランドオープンとなった「WESTSIDE314」。どんなお店になったのか、オープン前に取材をすることができた。



レコードや本を楽しみながらユルりとカフェブレイク


「bigcake」時代は赤色が象徴的だった店内は、白を基調に一新。店に入ってまず目に飛び込んでくるのが壁一面に備えられた巨大な棚だ。棚には1960～90年代のアナログレコードや音楽本がぎっしり！　多方面のカルチャーに精通するプロジェクトメンバーが持ち寄ったソフトが隙間なく敷き詰められている。

グリーンがアクセントとなった明るい店内


天井まである壁一面の棚が圧巻。眺めているだけで楽しい♪

「1985年創刊のファッションスナップ誌、『STREET』をはじめとするヴィンテージマガジンもたくさんあります。令和の時代にも注目されている80年代～のカルチャーにふれながら、好きなスタイルで過ごしてもらえたら」とクリエイティブディレクターの山口祐司さん。面出ししているレコードは、スタッフにお願いして聴くこともできる。本や雑誌は手の届く範囲なら自由に手に取って閲覧可能だ。

海外のストリートスナップ誌をおしゃれにディスプレイ

入口左には好きなレコードを聴くことができる試聴スペースも

絵本など子ども向けの本もあるので親子で訪れても楽しめる

エントランスの植栽は、ランドスケープデザイナーの谷向俊樹さんによるもの。さまざまな種類の植物とウッドデッキがスタイリッシュな印象の店に調和しつつ、憩いの場となりそうな癒しの空間を生み出している。

グリーンに囲まれたエントランスには喫煙スペースあり。店内は禁煙



ソーダにもビールにも合うホロホロのプルドポーク


気になるメニューは、昨年のフジロックでソールドアウトとなったプルドポークのライスやホットサンド、オリジナルブレンドのコーヒー、クラフトビールなど。看板メニューの「プルドポークライス」（1200円）は、プルドポークとトマトソースをターメリックライスにのせたボリューム満点の一品。スパイス料理家、soratobukaori氏監修のレシピを元に、数種類のスパイスにじっくり漬け込み、香味野菜と一緒に煮込んだホロホロの豚肉、チーズたっぷりの濃厚トマトソースが食欲をそそる逸品だ。

プルドポークライス1200円。シードル（りんごのお酒）にも合いそう！

ライスと同じ量のプルドポークをサンドした「プルドポークサンド」（1000円）は、トマトやアボガドも加わって超具沢山。自家製レモネードなどのソフトドリンクはもちろん、クラフトビールなどのお酒にもピッタリ！シンプル派はハムチーズ×3をサンドした「ハムチーズ×3サンド」（600円）もあり。今後は、淡路島の玉ねぎをふんだんに使ったベジタブルカレーも登場予定だそう。ライスやホットサンドを注文すると、ソフトドリンクは終日＋300円でセットにできるのもうれしい。

プルドポークサンド1000円、自家製レモネード500円、コーヒーチェリー500円

プロジェクトメンバーのひとり、上本町「ホイミカレー／アイカナバル」店主の遠近崇さんのオススメは、南船場の珈琲店に特注したオリジナルブレンドのハンドドリップコーヒー。「色々試した結果、ORIGAMI（折り紙を折ったような形状の陶器製のドリッパー）を使用しています。ドリッパーに合うように抽出レシピを研究しました。テイクアウトもやっているのでぜひ！」とアピール。「美味しい飲み物と食事、グッドミュージックとグッドバイブスで、いろんなカルチャーを発信できる店にしていきたいです！フラリとお立ち寄りください」と意気込みを語ってくれた。

店内奥にはbigcakeから引き継いだ写真やアートが飾られている

京都の幻のディスコ「サ○○サ」のストックだったらしい7インチシングル。お宝が眠っているかも...

今後は、モーニング営業や各種イベントの開催、新メニューの開発も計画中とのことで、ワクワクするアイデアが盛りだくさん。ウエストサイドから生まれる新たなムーブメントに注目したい。

そして、今年も「FUJI ROCK FESTIVAL '24」オアシスエリアに出店が決定！
直前には、イベントの開催が決定している。開店祝いを兼ねたパーティーで苗場での再会を誓おう！

取材・文・撮影／岡田あさみ

（2024年7月 3日更新）