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神戸北野の歴史的建築物で
老舗料亭の美味を体感して

大正6年(1917年)に花街でにぎわう神戸花隈で創業した老舗の料亭「松廼家(まつのや)」。作家の川端康成や司馬遼太郎、俳優の石原裕次郎はじめ多くの文化人や財界人に愛されてきたが、阪神・淡路大震災で建物が全壊。その後JR三ノ宮駅前で人気の懐石レストランとして営業していたが、新型コロナの影響による休業期間を経て、昨年12月にJR西日本との連携で神戸・北野にある一般非公開の歴史的建築物「JR西日本三宮ゲストハウス」に移転。趣ある建物内の雰囲気と歴史ある料亭「松廼家」の懐石料理が見事に調和し、神戸・北野の新たな注目スポットとして話題となっている。
 
建物は明治40年(1907年)に貿易商の大林保吉の住宅として竣工、その後神戸の海運業者である乾家が購入。昭和戦後には国鉄の三宮寮として職員の研修などで運営され、昭和62年(1987年)からはJR西日本が保有している。趣ある和風の主屋に洋風の別館をつなげたモダンな和洋折衷の建物で、昭和55年(1980年)には神戸市より伝統的建築物の指定を受けている。これまで一般には非公開だったが、「歴史的建築物を活用しながら、兵庫の魅力ある文化を発信できれば」というJR西日本の思いと、「老舗料亭の食や伝統文化を継承したい」という「松廼家」の思いがマッチし、一般も気軽に利用できる店として今回のコラボが実現した。

1階には、枯山水の庭園が望める「松の間」と藤の花棚を望める「藤の間」という特別和室が2部屋あり、落ち着いて懐石料理が楽しめる(両間ともに要予約)。顔合わせや家族のお祝い事などの特別な食事会などにもおすすめ。2階には春に桜を目の前で鑑賞できる「桜の間」があり、手軽に昼御膳(2750円・税込)を楽しむことができる。また、2階には展示室もあり、花隈にあった時代の「松廼家」を訪れた財界人の華やかな宴の写真や、作家・文化人の色紙などが展示され、かつて最盛期には数百人を超える芸妓が在籍し、お茶屋や料亭がひしめく花隈において一、二を争う高級料亭だった頃の同店の雰囲気を垣間みることができる。月に一度、文化事業とし伝統芸能や工芸などに携わる方を招き、食事とともに日本文化にふれる催しも開催しているのでぜひ訪れたい。

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枯山水庭園
「松の間」「藤の間」から望める枯山水のある庭園。しっかりと手入れされ心落ち着く空間演出に

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松の間
料亭「松廼家」のおもてなしの伝統を受け継ぐ格調高い1階特別和室「松の間」(4~10名)。四季折々の本懐石(16500円~・税込サ別 ※要予約)を楽しめる
 
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藤の間
春には美しい藤を愛でることができる1階特別和室「藤の間」(2~6名)。「松の間」同様の本懐石やランチタイムには昼懐石(5500円・税込サ別 ※要予約)もオーダーできる
 
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桜の間
ランチタイムを優雅に過ごせる2階「桜の間」。開放感ある窓の外には大きな桜の木があり、桜咲く春は特におすすめ

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展示室
著名文化人の色紙やにぎやかな宴の写真などが展示されている2階「展示室」。女将四代が紡いできた伝統と歴史を実感することができる


昼御膳は予約なしでも注文できるが、満席の場合もあるので、予約してからの来店がおすすめ。神戸北野でのデートや散策がてら、伝統的な建物の雰囲気を楽しみつつ、本格的な懐石料理をまずはランチで利用してみてはいかが。


09.jpg「桜の間」で楽しめる昼御膳(2750円・税込)。長年親しまれた「松廼家」の懐石をベースに産地素材や調理法にこだわった特製御膳。一の膳、二の膳、御飯物、デザートの懐石でメニューは季節により変更される ※写真は2月提供メニュー

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本懐石
「松の間」「藤の間」で提供される本懐石(16500円~・税込サ別 ※要予約)。著名人や財界人に愛された伝統ある懐石を「五感」で楽しめる ※写真は2月提供メニュー

取材・文:滝野利喜雄



(2021年2月25日更新)


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三宮市街地からはハンター坂を上り異人館通り沿いを西へ約50m。JR三ノ宮駅・各線神戸三宮駅より徒歩約11分。阪神・淡路大震災の影響で1階内部と洋館部分は全面改装されたが、神戸市より伝統的建築物に指定されている主屋の外観は創建当時を偲ばせる
異人館通りから山側の階段を上がると、正面玄関につながる石畳があり、藤の棚がウエルカムアーチとなってゲストを迎えてくれる
落ち着きのある正面玄関。一歩足を踏み入れたときから老舗料亭の“おもてなし”を感じることができる

「松廼家(まつのや)」

住所:神戸市中央区北野町4丁目2-5 JR西日本三宮ゲストハウス内
TEL:078-862-6077 
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)
     17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:月曜
※新型コロナの感染防止策の影響により変更の場合あり

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