前身である「タンクギャラリー」から数えて述べ20年以上に渡り、大阪のアメリカ村界隈からアートを発信・紹介し続けてきた「digmeout ART＆DINER」。国内外さまざまなアーティストの展覧会、ライブ、クラブイベントはもちろん、日常使いできるカフェ＆ダイナーとして人気のお店。ここが現在の場所に店を構えて、9月1日で9周年を迎える。その記念第一弾展覧会として、デザイナー信藤三雄の、写真家としての側面をフィーチャーした展覧会「graphical photography by mitsuo shindo」が、9月4日(金)より同店で開催される。

 

　信藤三雄は、80年代中盤からユーミンをはじめ数多くのミュージシャンのレコード・CDジャケットのデザインを手がけ、90年代にはピチカート・ファイヴのアート・ディレクションを筆頭に、いわゆる“渋谷系”のヴィジュアル・イメージを決定づけた人物だ。特に特殊で斬新なパッケージ・デザインなど、平面のみならずトータルでデザインの常識を覆すようなその手腕は、今なお大きな影響を与えている。また、映像作家としても多くのミュージックビデオをディレクションしているだけでなく、写真家としてもミュージシャンを中心に数多くの撮影を行っている。今回は、そんな彼の“写真家”としての仕事に焦点をあてた展覧会となる。

 

　例えば、右のピチカート・ファイヴの写真は、2003年にマタドールからリリースされたピチカート・ファイヴ「five by five」のジャケットにも使用されたものだが、元々は1996年、東京からニューヨークに向かう飛行機の中で撮影したものが後に採用されたそう。またキノコホテルの写真は、リリアーナ・カヴァーニ監督の映画「愛の嵐」へのオマージュだ。このように、彼だからこそ撮影できた日本を代表するアーティストのさまざまな写真が多数展示される。なお本展は、5月に東京で開催され好評を得たもので、「写真家・シンドウミツオ」としては初めての写真展の巡回展となる。

 

　初日となる9月4日(金)の夜には、本人も来場しオープニングレセプション＆トークイベントが開催される。入場は無料（投げ銭制）。