「ガッチャマン」などのアニメや、ゲーム「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザイン、小説「グイン・サーガ」シリーズの装幀画などで知られると同時に、ファインアートの作家として世界で高い評価を受ける天野喜孝の個展「天野喜孝展 想像を超えた世界」が、6月27日(土)より兵庫県立美術館 ギャラリーにて開催される。

 

　天野喜孝は、タツノコプロで「ガッチャマン」や「タイムボカン」等人気アニメのキャラクターデザインを手がけ、独立後はゲーム「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザインや、小説「グイン・サーガ」シリーズの装幀画や舞台美術等を手がけるなど、幅広いジャンルで知られるアーティスト。同時に、繊細で妖艶・幻想的な絵柄は、欧米でも人気を博し、ファインアートの作家としてパリ、ニューヨーク、ドイツ等で個展を開催。画家として幾つかの賞を受賞するなど、芸術家としての高い評価を得ている。しかし、日本においてはキャラクターデザイナーとしての認知度が高いこともあり、画家・天野喜孝の公立美術館での本格的な展覧会は開催されていない。

 

　表現手法が多様化していく中、ポップアートやアニメなどの表現とファインアートを越境する象徴的なアーティストが天野喜孝とも言える。本展は、海外で高い評価を受けるアーティスト天野喜孝の活動を紹介し、芸術家としての現在進行形の姿を展覧するものだ。その活動は絵画にとどまらず、演劇・舞踏・映画のビジュアル・コンセプトデザインや美術・衣装デザイン、ステンドグラスの制作など多岐に及ぶ。一般的にはキャラクターデザインや装画のイメージが強い天野喜孝。本展は、その多彩な魅力と本質的な世界を展覧する内容となっている。