ベルギーの国民的画家であり、20世紀美術を代表する芸術家ルネ・マグリットの展覧会「マグリット展」が、7月11日(土)より京都市美術館にて開催される。これは現在開催中の東京展の巡回で、京都では実に44年ぶりとなる大回顧展となる。ベルギー王立美術館、マグリット財団、さらに2009年にブリュッセルにオープンしたマグリット美術館の全面的な協力を得て、世界10か国以上から代表作約130点が集まるというものだ。

　

　マグリットはシュルレアリスムの巨匠として知られるが、その枠にとどまらず独自の芸術世界を作り上げた作家だ。その作品は、言葉やイメージ、時間や重力といった要素が取り払われ、一度見たら忘れられない魅力に満ちている。本展では、美術学校時代や商業デザイナーとしての作品など1920年代の新たな芸術動向が反映された初期作から、その後のシュルレアリスムへの傾倒、1930年代に完成された独自の作風、そして晩年…と時代を追ってその全貌を展示する。静謐なタッチから浮かび上がる詩的で神秘的な雰囲気を間近で感じることができるだろう。また、開催中は講演会やギャラリートークなど関連イベントも予定されている。詳細はオフィシャルサイトで確認を。