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イメージを引き剥がし、新たな文脈へ。
横尾忠則のコラージュの真髄に迫る。

 横尾忠則作品に多様される、イメージを本来の場所から引き剥がし(カット)新たな文脈へと投げ込む(ペースト)、いわゆる「コラージュ」的な手法を展覧する「横尾忠則展 カット&ペースト 切った貼ったの大立ち回り」が、4月18日(土)より横尾忠則現代美術館にて開催される。
 
 この横尾作品の代表的技法とも言えるコラージュは、自信の出自がグラフィックデザイナーであったことと無関係ではない。ただ、作家自ら「生きることはコラージュそのものかも知れない」と語るとおり、「コラージュ」は単なる一技法の域を超えて、横尾芸術における思想的な支柱となっている。
 
 本展は、それが最も先鋭的かつ直接的なかたちで現れた1980年代末~90年代初めの時期にあえて着目したものだ。80年代末、切り裂いたキャンバスを重ね合わせた、いわゆる「多次元絵画」により物質的かつ重層的な絵画空間を追求していた横尾だが、90年代に入るとそれらを同一平面上に展開することで、まるで万華鏡のような華麗なイメージを現出させるようになる。さらに1993~94年には、コンピューター・グラフィックによる作品が集中的に制作され、イメージは仮想空間において文字どおり過剰なまでにカット&ペーストされていく。
 
 このように「コラージュ」をめぐる造形的な実験性が先鋭化し、その展開のうえで最もドラマティックな時期のひとつである80年代末~90年代初めに着目することで、横尾芸術の本質に肉薄することを試みる。



横尾忠則展 カット&ペースト
切った貼ったの大立ち回り
▼4月18日(土)~7月20日(月・祝)
横尾忠則現代美術館
前売一般560円 大学生440円
当日一般700円 大学生550円 高校生・65歳以上350円
※10:00−18:00(金・土曜~20:00)。入館は閉館の30分前まで。月曜休館(ただし5月4日、7月20日は開館、5月7日は休館)。障がいのある方とその介護の方(1名)は各当日料金の半額(65歳以上除く)。割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券をお買い求めください。
横尾忠則現代美術館
078-855-5607

(2015年3月27日更新)


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《地の鼓動》 1993年 横尾忠則現代美術館蔵
《ディスガイズ》 2006年 滝沢直己氏蔵
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