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狩野派にとって最大のピンチとなった
「桃山後期」に焦点を当てた展覧会

 2007年に開催され大盛況となった特別展覧会「狩野永徳」の続編となる、「桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち」が、4月7日(火)より京都国立博物館 明治古都館(本館)にて開催される。現在、おトクな早割りペアチケットなどが発売中だ。
 
 2015年は大坂の陣から400年。この出来事の前後、武士はもとより、絵師もまた熾烈極まる生き残りをかけた戦略を繰り広げた。とくに権力者と密接に関わってきた狩野派にとって、この時期は棟梁・永徳の死やライバル・長谷川等伯はの台頭、来るべき新時代の覇者の見極めなど、一門にとって最も苦しく、また難しい判断を下さねばならない激動の時代だったと言える。
 
 本展は、そんな狩野派史上最大のピンチにおちいった慶長年間前後に着目したもの。永徳没後、「豪壮」から「華麗」へ、さらに新たな為政者・徳川家に対応すべく、「瀟洒淡麗」へと画風を変えていく一大転換の過程を、永徳の後継者たちの作品を一堂にして辿る。また、この「桃山後期」に焦点をあてた狩野派の展覧会としては、過去最大規模となる、国宝1件、重要文化財23件、重要美術品1件、初公開作品3件を含む約70件を出品。その才能を花開かせた狩野派絵師たちの競演と戦いの歴史を紹介する。
 
 特に、新発見作である「北野社頭遊楽図屏風」(狩野孝信筆)、同「槇に白鷺図屏風」(狩野山楽筆)と、展覧会初登場となる「源氏物語図屏風」(現在修理中)の初公開3点には注目だ。なお本展は、東京巡回等なし京都1会場のみの限定展覧会。この貴重な機会をぜひお見逃しなく。



特別展覧会「桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち」
発売中 Pコード:766-544
▼4月7日(火)~5月17日(日) 
京都国立博物館 明治古都館(本館) 
早割ペアチケット1000円(1名分) 
前売一般1300円 大学生1000円 高校生700円
当日一般1500円 大学生1200円 高校生900円 
※9:30~18:00。金曜日は20:00まで。最終入館は閉館の30分前まで。月曜休館。ただし5/4は開館。会期中、作品の一部に展示替えがあります。平成知新館での展示もご覧いただけます。中学生以下、障がい者の方とその介護者1名は無料(要証明)。
テレホンサービス
075-525-2473

(2015年1月 8日更新)


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唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ) 狩野山楽(かのうさんらく)筆 京都・本法寺 通期
扇面画帖(せんめんがじょう) 狩野宗秀(かのうそうしゅう)筆 通期
重要文化財 吉野花見図屏風(よしのはなみずびょうぶ)(左隻) 京都・細見美術館  前期(4/7~4/26)
重要文化財 松に孔雀図壁貼付・襖(まつにくじゃくずかべはりつけふすま)(部分) 狩野探幽( かのうたんゆう)筆  京都・元離宮二条城事務所  通期