かつて“浪速のロッキー”としてボクシングファンを魅了した赤井英和。不世出のハードパンチャーだったが、1985年２月５日の試合が最後となった。あれから30年。赤井に挑戦状を叩きつけた男が現れる。その挑戦を受け、赤井が観客の前で再びリングに上がる！

　挑戦者は、現在、天神橋筋商店街で古着店を営む西口正さん、67歳。高校、大学とボクシング部に所属し、関西学院大学時代はフェザー級近畿チャンピオンになるなど、アマチュアの世界で活躍した。赤井に憧れ、赤井と同じリングで戦うことが長年の夢だったという。年齢的にもこれが最後のチャンスと、「赤井へ、12オンスのグローブを用意して待ってるで」と赤井を威嚇するような挑戦状を店前の看板に掲げた。それを番組スタッフが偶然見かけ、赤井に報告。赤井もその挑戦を受けることを決意し、西口さんの夢を叶えるドリームマッチが実現した。

　西口さんのセコンドには井岡弘樹（初代ＷＢＣ世界ミニマム級王者・第11代WBA世界ライトフライ級王者）と山口圭司（第16代WBA世界ライトフライ級王者）が、赤井のセコンドには名城信男（第16代・第18代WBA世界スーパーフライ級王者）と浅井大貴（近大ボクシング部監督）らともに超豪華なセコンド陣を従える。そして、この模様を2月2日(月)午後11時17分からの『ごきげん！ブランニュ』で放送する。

　ボクシング対決を前に、赤井と西口さんが心境を語った。

　「長年の夢がかなった」という挑戦者の西口さんは「赤井さんと同じリングの上で戦えることを嬉しく思います」と、夢が実現したことを喜び、感謝の気持ちを述べる。これには赤井が「西口さんは僕を現役時代から応援してくださっていた。今回、僕は西口さんの夢を叶えるプレゼンターのようなもの。その夢を叶えられるのは僕しかいない。僕との対戦を夢とまで言っていただいたからには、しっかりとリングに上がりたいと思います」と、挑戦を真摯に受け止める。だが、「一番、気をつけなければならないのは、ケガのないようにすること。西口先輩は“毛がない”けど!?（笑）」と、失礼なダジャレを飛ばし、舌好調!?

　トレーニングについては、「いつも走るランニングコースを走っていたときに、ふくらはぎを痛めてしまい、あまり走れていない」と苦笑する赤井。「近大でキャプテンとマス・ボクシング（力を入れずに寸止めで打ち合うスパーリング）を３分間やったけど、攻めた僕の息が上がってダウンしてしまった」とスタミナの問題を明かす。赤井が総監督を務める近畿大学ボクシング部の学生たちも応援に来るということで、「日頃、厳しく指導している総監督としては、エエとこも見せたい」と意気込む。そんな赤井は先頃、肉体改造のCNで見事に締まった肉体を披露し、話題になったが、「トレーニングして、CMのままの体重をキープしている」という。肉体改造のおかげで基礎代謝が上がり、内臓の機能も向上したらしく、「大便と小便の量が増えた（笑）！」と、赤井らしい大ボケの報告も。一方、西口さんは「井岡ジムに通ったり、店でシャドーボクシングをしたり、ハードトレーニングをしてきました」と、準備は万端のよう。

　今回のボクシング対決について西口さんは、「赤井さんのことを知ったのは30数年前。ABCの朝のラジオ番組に出演して、試合に臨むときの気持ちを話されていた。打ち合いの場面では必ず自分のパンチで始め、自分のパンチで終わる、つまり攻撃を仕掛けるのも、攻撃を終わらせるのも自分。常に先手先手で行くというようなことを話されていたのが印象に残り、それ以来、赤井さんの“心の追っかけ”をやらせてもらっている」と振り返り、「今回は持てるものをすべて出して臨みます。一発入れます！　自信はあります！」と強気の先制パンチ！　これには赤井も面食らうが、「私の師匠でトレーナーのエディ・タウンゼントさんは 『ボクシングの虫に刺されたら、死ぬまで体にはボクシングの血が流れている』 と、ずっとおっしゃっていた。そんな血の流れる西口さんの闘志ある挑戦に出会えて幸せに思います。そして、真剣に望めば夢は叶う。西口さんの姿を通してそれを感じてほしい」とメッセージを。そんな赤井に、「70歳になったら、また看板を出そうと思ってます（笑）」とさらに攻める西口さん。赤井は、「堪忍してください！」と懇願するが、「やっぱり、ボクシングの虫に刺されたら、一生なんやな」と感心していた。

　そんなふたりはABCホールの特設リングでドリームマッチに臨む。２分２ラウンドの勝ち負けなしのスパーリング方式。トミーズ雅がレフェリーとなり、熱気と興奮と緊張感に包まれたおよそ200人の観客の前で熱戦が繰り広げられる！