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あらゆる“涅槃”が大集結!
『横尾忠則 大涅槃展』開催

 “涅槃像”コレクターでもある横尾忠則。その偏執的な収集癖によって集められた約600体の涅槃像コレクションが大集結する『横尾忠則 大涅槃展』が、2015年1月24日(土)より横尾忠則現代美術館にて開催される。
 
 「涅槃」は釈迦の死を表すと同時に、あらゆる煩悩から解き放たれた悟りの世界を表すもの。輪廻転生を繰り返してきた魂が到達する不生不滅の地である涅槃は、生きとし生けるすべてのものにとっての憧れのユートピアであり、それは横尾の作品にも通じるテーマであるとも言えるだろう。
 
 横尾の涅槃像の収集は、自宅に飾っていた二つの像から始まる。入滅する釈迦の涅槃像と貝殻の上に寝そべる裸の人魚像、ともに肘をついて横たわる二つの像に、聖と俗、死と生が一対となった姿を見いだした横尾。彼はそれを「一人の人間の中にある二つの性質」と捉え、これら「涅槃」ポーズの置物を、片端から集め始めるようになる。そのコレクションをまとめ、1998年には写真集『涅槃境』も発表している。西洋の名画からキャラクターグッズのカエルまで、寝転がって片ひじをついたポーズのものなら何でも蒐集対象になるとのこと。
 
 本展では、入滅する釈迦から蠱惑的な裸婦まで、「涅槃」ポーズのあらゆる生き物たちを集めたこれらの涅槃像コレクションを起点に、その背景にある聖/俗、死/生といった関係性を軸として、涅槃像を用いたインスタレーションのほか、「涅槃」ポーズを持つ近代絵画の横たわる裸婦像と近世の様々な涅槃図を集めて展示。それぞれの像が有する性質――崇高なものと通俗的なもの、死ぬことと生きること――を、対立するものとしてではなく、表裏一体の近しい関係として捉える姿勢は、横尾作品の中に通底する特徴だ。そうした涅槃に関連する横尾の絵画、版画、ポスター、装丁をあわせて展示し、横尾作品における涅槃の意味も探っていく。



阪神・淡路大震災20年展
横尾忠則 大涅槃展
▼2015年1月24日(土)~3月29日(日)
横尾忠則現代美術館
前売・団体一般560円 大学生440円 高校生・65歳以上280円
当日一般700円 大学生550円 高校生・65歳以上350円
中学生以下無料、高校生・65歳以上は前売なし。
障がいのある方とその介護の方(1名)は各当日料金の半額(65歳以上除く)
※10:00~18:00(金・土曜日は~20:00) ※入場は閉館の30分前まで。月曜休館。
問い合わせ
横尾忠則現代美術館 078-855-5607

(2014年12月24日更新)


Check
《......but!》 1995年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
新輯薔薇刑 1971年 横尾忠則現代美術館蔵
《ジュピター》 1996年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
横尾忠則 涅槃像コレクションより