スイスが誇る美の殿堂チューリヒ美術館。その10万点を超す所蔵作品の中でも、特に充実した近代美術コレクションから主要作品を厳選し、日本で初めてまとめて紹介する展覧会「チューリヒ美術館展 印象派からシュルレアリスムまで」が、2015年1月31日(土)より神戸市立博物館にて開催される。

 

　出品されるのは幅6メートルにおよぶモネの大作≪睡蓮の池、夕暮れ≫。夕暮れ時の微妙な色合いをたたえた睡蓮の池が、視界いっぱいに広がる、待望の初来日。そのほか、シャガールの代表作6点に加え、ホドラーやクレーといったスイスを代表する作家の珠玉の絵画、さらにはマティス、ピカソ、ミロといった20世紀美術の巨匠の作品などなど…。これまでなかなか来日の実現しなかった印象派からシュルレアリスムまでの傑作70点以上が一堂に会する。しかも、スケッチや習作がほとんどない、まさに「すべてが代表作」といえるラインアップとなっている。ちなみに出展作のうち初来日作品はなんと全体の約8割も及ぶ。 

 

　展示は、一人の作家を特集した「巨匠の部屋」と、ある特定の美術の運動や様式を紹介する「時代の部屋」が交互にならぶユニークな構成。近代美術史の流れをわかりやすく体感できる。なお、世界的な金融都市でもあるチューリヒの富と、スイスの人々の美への慧眼を象徴するような本展は、日本とスイスの国交樹立150年を記念する展覧会でもある。