玉造口を睨む「一番櫓」は約半生期ぶり！
大坂の陣400年天下一祭　
通常は入ることができない重要文化財の櫓(やぐら)
一番櫓･千貫櫓･多聞櫓･金蔵を期間限定特別公開！

2014年、2015年は大阪にとって記念すべき年になる。
なぜなら大坂冬の陣(1614年)・大坂夏の陣(1615年)から数えて400年を迎える節目の年だからだ。

2014年・2015年は「大坂の陣400年」と位置づけ、大阪城を拠点として大阪全域で「大坂の陣」の史実に触れるイベントを開催。2014年11月16日(日)までの期間限定で、大阪城公園内の「一番櫓」「千貫櫓」「多聞櫓」「金蔵」の4箇所が公開となる。

今回特別公開となる櫓は、大坂の陣で焼失後、江戸期に徳川幕府の手によって建造されたもの。特別公開では、櫓の成り立ちや役割、機能を解説する展示を中心に、大阪城築城普請に大きく貢献した人物、徳川秀忠・藤堂高虎・小堀遠州の紹介も行い、歴史ファンはもちろん大人から子どもまで大阪城の歴史を興味深く見学・学習できるようになっている。

中でも目玉は玉造口を睨む「一番櫓」。約半世紀ぶりの公開となる。

一番から七番までの櫓の内、四番・五番・七番櫓は明治維新の大火で消失。二番・三番は第二次大戦の空襲で消失してしまい、繊細消失を免れたのは一番櫓・六番櫓のみ。破損が酷かったが、昭和38年から本格的な修理が行われ、今に見る江戸時代の姿に戻された。玉造口に攻め入ろうとする敵を側面から攻撃できる位置にあり、東面には石垣を登ろうとする敵を撃退する石落としも設けられている。歴史ファン必見だ。

大手口を護る「多聞櫓」は高さが14.7メートルあり、各地に現存する櫓の中では最大の規模を誇っている。「多聞」とは石垣の上に作られた長屋のことで、石垣と塀をそろえた城壁としての機能と、兵士が詰めたり武器を納めたりできる蔵・櫓としての機能の両方を兼ね備えている。大阪城自体がかなりの高度にあるため、多門櫓から見る景色は抜群。壁に空いた銃口に、かつての戦いの面影を見ることができる。

「金蔵」は幕府の金銀（御用金）保管庫の役割を果たした。幕府の金蔵は江戸城と大坂城に置かれ、他小規模なものが二条・駿府・甲府にもあったが、現存するのはこの1棟のみ。

金蔵には幕府の西日本中央金庫として毎年莫大な量の金・銀・銭が出し入れされていたという。その額、出し入れによる増減があるものの、現在の価値に換算して常に５００～８００億円ほどのお金があったというから驚きだ。お金とくれば、当然「御金蔵破り」や「埋蔵金伝説」なども出てくるもの？興味をそそられた人は、是非実際の金蔵に足を運んでみよう。

今回の有料入場者には、限定の天下一祭ピンバッチが限定でもらえる。

「普段外からしか見れない４つの櫓の中に今回は特別に入ることが出来るので、攻める側と迎え撃つ側、両方の体験が出来るまたとない機会です。今の大阪城は400年前の大坂の陣で消失し、再度建立された建物ですが、それだけ時の権力者たちが取り合う場所という事でもありました。徳川幕府の力や、豊臣政権に思いを馳せながら見ていただければ」と学芸員のコメントにも熱が入る。

特別公開は、11月16日(日)までの限定公開。4つの櫓・蔵は全て大阪城公園内にあり、1時間半～2時間ほどで回ることが出来る。折しも「大坂の陣400年天下一祭」実施中の公園内では大阪城天守閣はもとより、限定のグルメが食べられる屋台や、最新の4Kで迫力満点の大坂の陣の再現映像が楽しめる侍ミュージアム・武将ホールなど見どころいっぱい。秋深まる今週に、悠久の歴史に思いを馳せてはいかがだろうか。

（2014年11月10日更新）