平安時代のジャパニーズ・ファンタジー。
4年の保存修理を経た鳥獣戯画の世界!
絵巻の中でも最もよく親しまれ、世界的にも知られる国宝「鳥獣人物戯画」(高山寺蔵)。4年がかりの保存修理が完成したことを記念して、「鳥獣戯画」甲巻から丁巻までの4巻すべてを公開する展覧会「国宝 鳥獣戯画と高山寺」が、10月7日(火)より京都国立博物館にて開催される。
国宝「鳥獣人物戯画」は、甲巻、乙巻、丙巻、丁巻の4巻に分かれ、それぞれ長さ10メートルにおよぶ絵巻物。特に平安時代に描かれた甲巻と乙巻は秀逸で、甲巻に登場する兎や猿、蛙の人間のようなしぐさからは中世日本のファンタジーの世界、現代の漫画の原点とも言われている。乙巻は動物図鑑のようで、馬や牛といった身近な動物から、麒麟や龍、獏などの想像上の霊獣が自然の景観の中に次々と現れ、ひとつの物語のように展開している。
描かれてから800年が経過した鳥獣戯画は、劣化や損傷に悩まされていたが、今回の保存修復は朝日新聞文化財団による文化財保護助成事業の第1号として実施され、昨年4年がかりで完了。本展は、修復作業中の新発見を紹介しながら、修理後の全4巻を初めて一挙に展示する稀有な機会となっている。
また、この国宝を所蔵する高山寺は、鎌倉時代の華厳宗の僧、明恵上人(1173~1232)ゆかりの古刹。本展では鳥獣戯画とあわせて、明恵に関わる資料や、国宝「華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)」(高山寺蔵)などの名宝の数々を公開する。
※写真はすべて高山寺蔵
特別展覧会 修理完成記念「国宝 鳥獣戯画と高山寺」
Pコード:766-321
▼10月7日(火)~11月24日(月・休)
京都国立博物館
前売一般1300円 大学生1000円 高校生700円
当日一般1500円 大学生1200円 高校生900円
※9:30~18:00。金曜日は20:00まで。最終入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日。ただし、10/13、11/3、11/24は開館、10/14、11/4は休館。期間中1回有効。中学生以下、障がい者の方とその介護者1名は無料。本料金で平成知新館での展示(11/16までは「京へのいざない」)をご覧いただけます。
ハローダイヤル
050-5542-8600
(2014年9月 9日更新)
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国宝 華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)(けごんしゅうそしえでん(けごんえんぎ)) 鎌倉時代 七巻のうち四巻 義湘伝 三巻 後期展示場面
国宝 仏眼仏母像(ぶつげんぶつもぞう) 鎌倉時代 一幅 後期展示
重要文化財 神鹿(しんろく) 鎌倉時代 一対 全期展示
国宝 鳥獣人物戯画(甲巻)(ちょうじゅうじんぶつぎが(こうかん)) 平安時代 四巻のうち甲巻1156.6cm 前期展示場面