横尾忠則のポスターを中心とした展示で
その特徴を浮かび上がらせる展覧会。
横尾忠則のポスター作品を主とする展覧会「阪神・淡路大震災20年展 横尾忠則展 枠と水平線と・・・ グラフィック・ワークを超えて」が、横尾忠則現代美術館にて開催中。
本展は、ここでは初となる横尾忠則のポスター展。100点を超えるポスターのほか、絵画、装丁、原画などが出品される。ポスターだけでなく、絵画、装丁本、下絵などもあわせて展示することで、異なる媒体に通底する特徴が浮かび上がってくる。例えば、タイトルにある「枠」や「水平線」によって横尾の特徴的な空間を紹介するとともに、「人物」や「文字」などの代表的なモチーフ、そしてそのモチーフの「繰り返し」や「集合」、作品同士の展開である「変容」など、横尾ならではの手法に光を当てていく。
ポスターという体裁の中でも、枠や水平線を多用した画面構成、人物の後姿やシルエット、空間の中に配置される文字は、横尾のグラフィック・ワークの特徴的なものだ。また、《BLOW UP》(右写真参照)のように、アントニオーニの映画「欲望」と大島渚の「御法度」をミックスしたような作品など、過去に使ったモチーフを再利用したり上書きして変容させていくなど、ポスターの中に様々な試みを見つけることができる。本展は、こうした横尾の多彩なグラフィック・ワークを理解する機会となるだろう。
阪神・淡路大震災20年展
横尾忠則展 枠と水平線と・・・
グラフィック・ワークを超えて
▼7月12日(土)~9月28日(日)
横尾忠則現代美術館
一般600円 大学生450円 高校生・65歳以上300円
団体一般480円 大学生360円 高校生・65歳以上240円
※10:00~20:00(金・土曜日は~20:00)。入館は閉館30分前まで。月曜休館。但し7月21日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館、7月22日(火)、9月16日(火)は休館。
横尾忠則現代美術館
078-855-5607
(2014年7月17日更新)
Check
《黒蜥蜴(東京芸術劇場)》 1993年 横尾忠則現代美術館蔵
《安吾フェスティバル(紀伊国屋ホール)》 1974年 国立国際美術館蔵
《BLOW UP》 2000年頃 作家蔵
《MORIYAMA DAIDO Retrospectiva desde 1965 (Centro Andaluz de Arte Contemporáneo)》 2007年 国立国際美術館蔵